MacのMailアプリで受信していたメールを、Gmailにバックアップする方法

週末、月末、年度末。何かが終わりを迎えるタイミングは、「自分棚卸し」のシーズンでもあります。そんな時に欠かせない作業が、データのバックアップ。チャットやメッセージが増えた今も、メールはコミュニケーション手段の一つで、整理の対象です。

Macのメール.appで受信したメールは、Gmail以外も、簡単にGmailにドラッグ&ドロップで自由に移せます。つまり、Gmailという巨大なメールサーバーそのものをバックアップにしてしまう方法を紹介しましょう。普通に使いつつ、バックアップにもなる併用です。

そもそも、過去のメールログをGmailに比較的簡単にアップロードできるようになったのは、GmailがPOPだけでなく、IMAPにも対応したから

メールをGmailにアップロード
Gmailに転送。

POP(Post Office Protocol)とは、メールサーバーから、一旦、自分の手元にメールをダウンロードして読むプロトコル(通信手法)です。メールソフトウェア側では、メールをPOPサーバーに残さずにダウンロード時に削除する設定と、一定の期間残しておく設定とが可能です。

ただ、前者の場合だと、メールを受信したその環境にしかログが残らずに非常に不便です。また、後者の場合は、メールサーバーの容量が小さいとメール(というより添付ファイル)を削除し忘れてパンクするリスクがあります。

これに対してIMAP(Internet Message Access Protocol)は、直接サーバー上のメールを読むことができます。例えば、社内のWindows XPマシンのThunderbirdで読んだメールは、外でモバイル端末に搭載されたOperaでチェックした時には、開封済みとしてメールサーバーに残って表示されます。

GmailがPOPにしか対応していなかった時から、専用のツールを使いながらいくつかのステップを踏めば、一旦ダウンロードしたメールログのアップロードは可能でした。ただ、とても面倒だったわけです。それが、IMAPに対応したことで、メール.appのフォルダ間のドラッグ&ドロップで、簡単に移行できるようになりました。きちんと、送受信の日付も残したまま引き継がれます。

Macのメール.appでは、メールボックスは「mbox」フォルダになっています。この中に「Messages」フォルダがあり、さらにその中に1つのメールが1つのemlxファイルとして収められています。これを読み込んで、送信済みのメールは「送信済みメール」フォルダへ、自分でフォルダ分けしていたメールも該当するラベルのフォルダへ、直接、ドラッグして移動できます。今更、敢えてラベルを付けて分類するでもないメールは、とりあえずGmailの受信トレイにアップロード。それをGmail側で「アーカイブ」することで、目障りにならず、しかもコンパクトに保存しておくことが可能です。

アクセスを頻繁に繰り返すと、一時的にロックされることも

Gmailで不用意にPOPとIMAPアクセスを繰り返すと、不正なアタックと見なされるのか、アカウントがロックされてしまいます!最大で24時間、Gmailにアクセスできなくなってしまうのでくれぐれもご用心を。

Mail.appのmbox読み込みオプション
読み込みオプション。
  1. 「ファイル」-「メールボックスを読み込む…」を選択する。
  2. 「Mail for Mac OS X」を選択し、任意のメールボックスを選んで、読み込む。
  3. メール.appの中に新しくできた「読み込み」フォルダを開く。
  4. 表示されたメールを、Gmailのフォルダにドラッグ&ドロップで分類する。
  5. 「メールボックス」-「”Gmail”を同期」を選択する。

利便性とセキュリティーとの鬩ぎ合い

注意したいのは、Gmailを使うことそのもののセキュリティーです。他のドメインで送受信したメールをアップロードしたり、Gmailを利用することは、メールの内容をすべてGoogleに把握されることを意味します。何かのサービスやアプリを利用していいかどうかは、常に利便性とセキュリティーとのバランス次第です。職場のポリシーではGmailの利用が厳しく制限さていることもあるので、必ず事前に確認しましょう。


ここで1つポイントなのは、本当に過去ログを参照する必要がある可能性が高いメールは、現在に近い日付のメールなこと。なので、時系列にこだわって古いメールからアップする必要はありません。一度に全部処理しなくても、取りあえず、できる日付の範囲だけ、現在から溯って処理していけばOKでしょう。