ビデオのAI高画質拡大ツールVideo Enhance AIを3ヵ月使って気付いたこと

「アプリケーションを隠す」と、処理が落ちる!?

私のmacOS環境の場合、「システム環境設定」>「省エネルギー」>「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」をオフにしていても、マシンがスリープすると、それまで唸りを上げて回っていたファンが、段々と静かになっていき、処理が落ちます。

また、スリープしなくても、Video Enhance AIアプリケーションを隠しても、処理に時間が掛かってしまいます。Video Enhance AIをフロントで起動した状態から、テキストエディタのような軽いアプリケーションをフロントにして「ほかを隠す」に切り替えると(option-クリック)、これでも処理は落ちます。『おや?何だか静かだな…』と思って、またVideo Enhance AIをフロントに戻すと、なぜか数字が大きく(時間が長く)なっていた推定処理時間が、一瞬の後すぐ元に戻って処理が続く、といった挙動です。まるで『おい、ちゃんと仕事してんのか?』と聞いた瞬間に、『あー、今やろうと思ってたんスよぉ!』と返事する部下みたいなw

アクティビティモニタでVideo Enhance AIをチェックしたところ、どうもそれらしいCPU/GPUの負荷でした。ウインドウを開きっぱなしにしていれば、バックグラウンドで画面の端から飛び出させようが、きちんと処理は進むようです。

この辺り、全然詳しくないんですが、アプリケーションが隠されると、マシンがスリープしているかどうかに関係なく、サスペンド状態に入ってしまうのかもしれません。思い返せば、一部のビデオ変換ユーティリティーでも似たような経験があるので、常に動作する専用のレンダラーでも別にない限り、フロントにしておくのが正解なんでしょうね。

[追記 2022/01/12] その後、Apple M1 Macでも走らせてみたので、関連記事もご覧ください。いつかMac Proで試したい…
アクティビティモニタの様子
アクティビティモニタの様子

結局、基準に満たないマシンスペックでどう処理するか?

Video Enhance AIアプリケーションを、インストールまたはアップデートして真っ先に飛ばされるのは、公式ブログの注意事項ページ。曰く、『マシンスペック満たしてないと、超遅いからね!』。ちゃんと購入前のページでも、しっかり推奨環境やFAQで書かれているんですが、よっぽど苦情が相次いでいるのかもw

ただ、マシンスペックが基準に満たなくても、時間が掛かるだけで、ちゃんと処理はされます。なので、夜間や週末、遊ばせているマシンを使えば、問題はクリアできなくはないんです。

とはいうものの、私だったら、Video Enhance AIは重要なシーンにだけ使うでしょうね。それ以外は、ff•WorksやMovavi Video Converterを使うか、結局、Premiere ProやAfter Effectsで直接リサイズしてシャープフィルタで処理することを優先すると思います。


もし、子供が小さかった頃に4Kビデオカメラが手元にあったら、そりゃ親は4Kで撮影したいと思うはずなんですよ。二度とない貴重な想い出ですから。

とはいえ、素材が高画質でも、YouTubeにアップロードしたりDVDに焼いたり処理はさらにあって、その過程でどうしても画質は落ちます。また、データが増えれば、扱いや管理も面倒に。作業プロセス全体と、時間やコストを含むリソースのバランスが妥当かどうかを、冷静に判断する必要はあります。30日間の無料トライアルで感触だけ確かめておいて、本格的に必要になった時にまた検討すればいいでしょう。

[追記 2022/12/01] 折角、いろいろな方にここの記事をいろいろ読んでいただいて、アフィリエイトリンクから購入して支援いただいたのに、Topaz Lab社からいきなりアカウントを強制閉鎖されてしまいました :'(
理不尽さには憤るものの、いちユーザーとしてできることは限られるのでここ数ヶ月モヤモヤしています…
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