Video Enhance AIをApple M1 MacBook Airで!無茶なビデオ変換を試した

Video Enhance AI 2.0でビデオを拡大・高画質化してみた

ということで、やっとテストをば。簡単ですが、以前使った同じサンプルを使ってみましょう。UIが全く違うのがわかるはず。

Video by Pressmaster from Pexels

今回も、400%拡大の w 5120 x h 2880 (5K UHD) で比較してみます。ただし、比較対象のツールはAdobe Premiere Proではなく、ff•Works。FFmpegのフロントエンドとして動く軽快なツールで、最近の私のお気に入り。「Passthru」という、ソースを再エンコードしない高速オプションがありますが、今回はオフにしています。条件が完全には揃っていないので、単純な比較はできませんが、取りあえずざっくりと。

オリジナル
データサイズ:6.1 MB
画像サイズ:w 1280 x h 720 px
オーディオ:なし(以下同様)
秒数:17:03(以下同様)
フォーマット:mp4 H.264
フレームレート:25fps(中途半端ですがそのまま、以下同様)

ff•Works + FFmpeg (x4)
データサイズ:76.1 MB
画像サイズ:w 5120 x 2880 px
フォーマット:MOV (H.264)
パラメーター設定:なし
変換処理時間:2分

Video Enhance AI (x4)
データサイズ:2.95 GB
画像サイズ:w 5120 x 2880 px
フォーマット:MOV (H.264)
パラメーター設定:Gaia High Quality
変換処理時間:22分

[追記 2022/01/12] 申し訳ありません。読者の方からのご指摘で、sec./frameの解釈にミスがありましたが、この記事は訂正済みです。ありがとうございました :D

まず、Video Enhance AIの処理スピードは3.1〜4.0 秒/フレーム(数値が小さいほど、処理が高速)で、掛かった時間は22分。同じように動作環境から外れているiMacで無理矢理走らせた時には、1時間15分掛かっていたわけですから、差は圧倒的!以前ネックだった、アプリケーションがフロントになっていないと、処理が落ちる様子は見られませんでした。一応、アクティビティモニタもチェックしますが、『MacBook Airはファンがないだけに、不安レス』とかそういうのはいいですかね… 😛

Photoshopで開いて細かくチェックしてみます。左がff•Worksで、右がVideo Enhance AI 2.0。やはり、人物の髪の毛や、目や口元などのディテールが一番よくわかりますね。肌に掛かった細かい毛やハイライト部分が、非常に美しく描かれて、色の再現も自然な仕上がり。画質のクオリティーという点では、今まで同様、十分満足できます。

髪の毛などのディテールを中心に、違いがはっきり出る
髪の毛などのディテールを中心に、違いがはっきり出る
メガネのレンズ越しの目やフレームもくっきり
メガネのレンズ越しの目やフレームもくっきり
細い髪の毛以外に、目元や口などの部分もシャープ
細い髪の毛以外に、目元や口などの部分もシャープ

一方、ファイルサイズは約3 GB弱と結構な大きさになってしまいました。一番リッチなAIモデルを使ったこともありますが、ディスクスペースに限りがある環境では要注意。ビデオ編集は、拡大して終わりではなく、これを素材としてさらに合成などの編集が続くわけで、この辺りは処理する目的や取り扱いとのバランスでしょうね。

正直、Video Enhance AIがApple Silicon M1に未対応の段階で、これほどパフォーマンスが向上しているとは思いませんでした。ある程度の時間的な余裕があるなら、設定だけして放置しておけばOKなので、すぐにでもネイティブ対応してもらえば、今のMacのラインナップで一番手頃なMac miniでも十分でしょう。もちろん、次に噂されている本命のM1X/M1X Proで走らせた時の実力にも、大きな期待が高まります。

一方、Windowsでは、グラフィックカードやメモリ、高速SSDでバキバキに増強してブン回す使い方もできるので、プラットフォームの選択肢が広がった気がします。1つライセンスがあれば、Mac/Windowsどちらでもスイッチできるのも心強いですし。


私はコレ、ようやく使う用途を考えられるようになりましたw 真っ先に思ったのは、仕事用ではなく、大昔にSONY Handycamで撮影した、親族や知人を撮影したビデオ(ギャラ出ないじゃん…)。ぜひ、このVideo Enhance AIで高画質化処理してみたい!手元にまだカメラがあるうちでよかった!

とはいえ、接続が今は懐かしのFireWire 400で、キャプチャーできるコンバーターを引っ張り出すのが面倒な上に、もうFireWireポート付きのPowerMacなどありません。さて、この別のタスクをどうしよう…(ま、結局、やることになるんですが↓)。

[追記 2022/12/01] 折角、いろいろな方にここの記事をいろいろ読んでいただいて、アフィリエイトリンクから購入して支援いただいたのに、Topaz Lab社からいきなりアカウントを強制閉鎖されてしまいました :'(
理不尽さには憤るものの、いちユーザーとしてできることは限られるのでここ数ヶ月モヤモヤしています…
https://topazlabs.com/