骨伝導イヤフォンShokzは、相手の声も聞こえているとハッキリ示せるのがイイ

『あなたの声もちゃんと聞いてますよ』という態度の見える化

骨伝導タイプのイヤフォン、つまり、耳を塞いでいないことが相手に見えるデバイスとしてのメリットは、コミュニケーションの副次的な効果だと感じています。他者とのコミュニケーションの断雑デバイスだとか、完全引きこもりツールではなく、あなたの声もちゃんと聞こえて意思疎通できている状態ですよ、というのが楽にハッキリと示せることは、日常生活で重要な要素だと再認識しました。

昔、FMラジオが流れる職場で働いていた頃、自分の仕事に集中したい時には、イヤフォンを使っていたことがありました。ただ、たびたび問題になっていたのが、上司の声掛けに気付かないことがあること。無駄にギスギスして、さらに相手を遮断するデススパイラルに陥っていた気がします。

今も、耳にデバイスを突っ込んでいる人の中には、周囲に人がいるのに全く気付かず・気付かないふりな人もいますよね。平気で人に持ち物や体が当たったり、交通量の多い狭い場所を自転車で高速に駆け抜けたり、コンビニや販売店のレジで外国人店員さんからの問いかけにも、横柄な態度を取る人とか。ここで問題なのは、『外の音もちゃんと取り込めるモードだから聞こえてるって!むしろ、ノイズキャンセリングが効いてるからクリアだし!』というのは、装着している側の都合であって、相手にはわからないこと。言い訳にすらなっていない。

パッと見ただけでは、相手がどんなデバイスを装着しているかはわかりません。そもそも、相手はいちいち気にする暇はありません。なので私は、相手に誤解されるリスクを上げたくない時には、Shokzを耳から外して首の位置まで下げるようにしています。サッとこれができるのも、ネックバンド式のいいところです。

骨伝導イヤフォンデビューとして、Shokzは妥当なチョイス

Shokz OpenMoveはその名の通り、オープンであることによって周囲の環境音にも適度に注意を払える設計です。個人的には特にこの、「耳の穴を塞いでいないことが、相手にハッキリ示せる」ことによる、コミュニケーション上のメリットも少なからずあるだろうなと感じています。

ただ、一般の骨伝導タイプでよく説明されている、工事現場のような周囲に大きな雑音がある場所でも、骨を響かせるから音が聞き取れる!というのは、ちょっと違う気がします。鼓膜を塞いでいなければノイズも拾うわけで、骨を通じた音と結局は混ざってしまいます。

全体として、このShokz OpenMoveには満足しています。高音質や重低音を求めるのは違う気がしますし、機能とコストのバランスは良好です。骨伝導イヤフォンデビューのモデルとしてもお勧めできます。安くなったから、今ゲットするなら一つ上のスポーツモデルでもいいな。


自分がやるべきことへの集中と、他者との意思疎通のバランスは、ストレスの少ない相互理解にとって重要です。デバイスやネットワーク、テクノロジーの進化とは別に、コミュニケーションの経路や強弱、方向性といった問題は、まだまだ改善されていくべきフロンティアなのかもしれません。