Mac版Dropboxの仕様変更がいろいろツラいが何とか使い続けざるを得ない

Dropboxフォルダの場所が強制的に変えられたが、すぐにまた戻った(!)

コレも結構、酷かった。締切がある同じ週に2度も振り回される始末。

今まではDropboxフォルダは自分の好きな任意の場所に置くことができました。それが(少なくとも私の環境だとApple Silicon Macだけで)以下の場所に、強制的に変更されました。

~/Library/CloudStorage

私の場合、macOS Ventura 13.1へアップグレードした時に、このDropboxの変更も重なっていたので、ちょっといろいろ面倒でした。

この変更は、macOSのセキュアな仕様変更File Provider APIの影響なのだろうと、一旦は理解しました。Dropboxに限らず、クラウドストレージのデータは必ずここで同期せよ、ということなんだろう、と。ファイルやフォルダをリスト表示すると、同期状態を示すアウトライン状のグレーの雲アイコンが表示されました。また、Finderの「移動」にも、独立してDropboxメニューが表示されるようになりました。

同期するフォルダの場所が変わったので、当然、外部リンクしていたファイルやシンボリックリンクはパスが変わり、再度作り直す必要がありました。内蔵ストレージが限られるMacBook Pro/Airユーザーには、外付けドライブに保存できなくなったのは結構痛かったはず。

Dropboxフォルダの場所が元に戻る混乱
Dropboxフォルダの場所が元に戻る混乱

で、何とこれがまた予告なく数日で撤回され、また強制的に元に戻されたというわけです。酷すぎる… 🙁

しかも、上記のすべての変更作業をまたやり直しというだけではありませんでした。デスクトップに作ったエイリアスを操作してファイルを閲覧すると、どうも同期しているフォルダやファイルが足りない…おかしいなと思って調べると、何と、エリアスがアクセスしていた先は、 ~/Library/CloudStorage に残されていたDropboxフォルダの別アーカイブ!おいっ!!

この混乱の影響だったのか、Photoshop+Illustratorメインのクリエイティブワークで作業していたファイルが、保存に異常に時間が掛かったり、時々、失敗までする始末。しかもDropboxリンクを他者にシェアしても、閲覧してもらえず本当に慌てました(OneDriveで緊急回避)。

複数デバイス間の同期もスムーズではなかったんですが、いつの間にか、不可視のDropboxキャッシュフォルダを手動で削除してメンテナンスしたりもできなくなっていました。結局、偶然Apple SiliconとIntel Macとで挙動が違っていたので、Intel MacのデータをAirDropでApple Silicon Macにコピーし、それをDropboxフォルダに入れて凌ぎました(一体、何のためのクラウドストレージなのやら…)。

【解決策・回避策】
これもありません。ただただ、翻弄されるばかり。2023年5月末までにアップデートされるとはアナウンスされていますが、あくまでも「オンラインのみ」のファイルをサードパーティー製アプリを使って開く際の問題の修正であって、またファイルの中身が検索できるようになるとはひと言も書かれていません。

「写真ライブラリ」をDropboxに保存できなくなった

「写真ライブラリ」をクラウドに保存できなくなりました。これもmacOSの仕様変更絡みなんだと思いますが、写真の同期はiCloudだけでしか許可しない!ってことなんでしょうかね。

これはまだ実害は起きていなくて、少なくともIntel Macでは従来通り使えていますが、私は完全に該当するのでかなり気になっています。Dropboxに置いて200 GB以上に膨れ上がっている「写真ライブラリ」を、NASに移すべきか、やっぱり(別の)クラウドなのか。迷ったり悩んでいるうちに何も具体的な処置をせず、ファイルが破損して再生成からやり直しという苦い経験をしている身としては、さてどうしたものか…

【解決策・回避策】
なし。現状、どのような影響や制限があるか不明。少なくともTime Machineでバックアップはしておいた方が安全か。

一部のファイルはディスク内の容量として計算されない

「オンラインのみ」で同期しているファイルは、ディスク容量として正格に計算されません。インデックスだけですから、これは当然といえば当然。ダブルクリックするか「オフラインアクセスを許可」すれば、実体がダウンロードされて正確に計算されます。

ディスクが結構空いているのに、容量不足のアラートがよく表示されていたのはこの影響だったか?ローカルに保存できないほど巨大なファイルの展開は、あまり考えにくいですが、ビデオ編集とかだとあり得ますかね。ただ、Time Machineからアカウントを復帰させるときに、Dropboxを全部同期させようとしていることに気付かず、容量不足でエラーになるユーザーはいます。この問題も引き続き要注目。

【解決策・回避策】
別になし。これは、前述の問題よりは妥当なので、そういうものとして考える。巨大なファイルや大量のファイルを扱うときには注意。

Twitterで情報を調べるときには要注意

今回の本筋とは全く関係ないんですが、何か有効な情報はないかとTwitterで「Dropbox」を検索したところ、何の警告もなく、いきなりアダルトコンテンツが混じって表示されました。調べる方はくれぐれもご注意を。

私のスタンスとしては、『売りたい人がいて、買いたい人がいるならいいんじゃないの?人権搾取ビジネスでなければ。ただ、ゾーニングされてない場所に出すな!』です。どうやらDropboxにアップロードした写真やビデオを販売しているようですが、あまりに突然で面食らいました(出先でなくて、画面共有してる時じゃなくて本当によかった!)。これも、E.マスク時代になってからの荒廃?前から!?

Dropboxは近年、単なるクラウドストレージだけでなく、いろいろなサービスに拡張しています。コラボレーションのDropbox Paperや、署名のDropbox Sign、スクリーンレコーディングと共有のDropbox Capture、ビデオやオーディオでコラボレーションのやり取りができるDropbox Replyなど、なかなかアグレッシブです。この他に、日本ではまだ展開していない、ショッピングサービスのDropbox Shopがあるので、一瞬『まさか!』と思いましたが、もちろんそんなはずはありませんでした。

いくつかアカウントを見てみたところ、どれも決済サービスとは直接連動していないようで、ほぼすべて『詳しくはDMしてね♥』式でした。Snapchatでも同じ方式でやってそう。30ぐらいのアカウントをブロックしましたが、ソーシャルメディア上での直販は今後のトレンドなので、DMの先をどこへ誘導しているのかは、ちょっと気になります。


インデックスは作成されていない疑惑
インデックスは作成されていない疑惑

残念ながら、Mac版Dropboxユーザーとして、解決策・回避策はほぼありません。使い方を変えることで、一部、回避できなくはないかもしれませんが、基本的にユーザー側でできることはナッシング 🙁

かといって、拙速に他のクラウドサービスに乗り替えるのも、結構な手間とリスクのはずです。以前から、ブロックチェーンを使ったクラウドストレージもいくつか物色したり試していますが、信頼性とコストの面で、どうも触手が動きません。そもそも、仕事で導入している環境だったりライセンスの期間があれば、予算やワークフローの都合上、簡単には変更できません。

当面は、複数の環境で動作を(批評的視点で)確認しながら使ったり、Time Machineによるバックアップも併用する一方、最新情報をフォローしたりシェアしながら使っていくしかなさそうですね。フォーラムでも、クレームや皮肉はできるだけ抑えつつ、建設的な情報交換をしていくつもりです。私も、最新情報はTwitterでアップデートしますので、ご興味があればフォローたり、有効な情報があればぜひ教えてください!