GPT-3を使ったAIライティングサービスCatchyに日本語コピーを書いてもらった

6.詩:月の海辺で君を待つ

生成ツール – 歌詞のセンテンスアイディア
【テーマ】
最後は、Catchyが一番不得意だと思われるテーマに敢えて挑戦してみました。注意書きにも「抽象的な表現は避けて、具体的に書きましょう」と明記されていますが、裏腹に「歌詞」「社歌」なんてツールもあるので、じゃあやっぱり、詩の魅力の一つである抽象化にも挑戦!
事前に想定するに、これは一番揺らぎが大きな表現になるはずです。自分では想像(創造)もしなかった幅広く豊かな表現になるのか、英語の詩の自動翻訳のような違和感混じりの生成文になるのか…。

【入力した説明文】

月の海辺で君を待つ。来ないことは知っている。
時折強く吹く潮風が、肌に絡みつく。雲の向こうには、痩せた三日月が佇んでいる。どこかで聞いたことのない鳥が鳴いたけれど、波音の合間の空耳だったかもしれない。遠くにバイクのヘッドライトが流れていく。
そこに無いものの存在を感じるのは幻想か願望、信仰だ。対象ではなく、自分の内側を見つめることになる。絡んでまとわりつくのは潮風ではなく、自分の感情だ。足下で砂がサラサラ声を立てて笑う。

【準備と生成】
歌の概要は「任意」じゃないと思うけどなぁ、だって他に何も設定項目がないんだから。しかし、んー、出だしまたはタイトルのつもりで書いた「月の海辺で君を待つ」の9文字だけでは短すぎるため、いろいろと文章を付け足しましたが、最後まで自分で書いた方がよかったんじゃ…w

【生成された文章】

月明かりの中、浜辺であなたを待ちます。
来てくれないとわかっていても
時折強く吹く海風が
私の肌に絡みつく
雲の向こうには細い三日月が立っている
聞いたことのない鳥がどこかで鳴いている。
でも、その間にどこかで聞いたことがあるかもしれない
波の音
遠くでバイクのヘッドライトが流れていく
それは幻想であり、願いであり、信仰である
そこにないものの存在を感じさせるのは
それは対象ではなく、自分の内面である。
自分が見ているのは

【結果と評価(5点満点)

生成された文章は、音や文字数が揃っているわけでも、韻を踏んでいるわけでもありません。ダメ元だったので、評価対象外かな。

ルンバが働く前後には、片付けや拭き残しの掃除も必要

Catchyを運営する(株)デジタルレシピさんのセミナーに参加して質問してみたところ、『Catchyはあくまでも文章作成のフロントエンドであって、単独で全てが完結するわけではない』ことが改めてわかりました。そりゃそうですよね。これは、AIジェネレーターの使い方や距離感として妥当な気がします。

画像ジェネレーターStableDiffusion (DreamStudio)やDALL·E 2、Midjourneyなどの場合、AIの癖や制約を理解しつつ、自分の意図をAIに確実に文章で伝えるための「呪文(Prompt)」には、皆さんいろいろと苦労しているようで、ノウハウもシェアされています。また、生成した画像を、実際に自分のアートワークに組み合わせる方法を模索する人も出てきているようです。『AIは機能的にまだまだ!』といっている間にも着実に進化することは間違いないので、どうやってAIと一緒に自分が作業するか?を考えたいわけです。

喩えるなら、ロボット掃除機の使い方のようなもの。床掃除ロボットが動きやすいように、まず人が大まかに床にある物を片付ける。隅っこや段差が大きなところは人が掃除したり、電源コードやカーペットの端を巻き込んでいたら助け出す。その間、人はキッチンシンクや風呂を洗ったり、本棚を片付ける。
iRobotはAmazonに買収されたので、家の中のマッピングはさらに詳細かつ狡猾になるんでしょうか…とにかく、掃除機もあっという間に進化するので、人がやらなければならないことは変わるとしても、やることが無くなることはないでしょう。

スキルが微妙なクラウドワーカーとの付き合い

今回、Catchyを試してみて、Wikipediaとクズブログを寄せ集めた「いかがでしたか系記事」を一つも作らなかったことは評価します。明らかな日本語の間違いやゆらぎ、句読点の欠落もあったとはいえ、さほど目立ちませんでした。もし、自分が全く知らない分野のテキストを書かなければならないなら、ラフアイデア出しのために、検索と併用で使うかもしれません。

ただ、正直なところ、期待したレベルではありませんでした。Catchyにある程度のヒントやキーワード、指示語を与えれば、参照先を推測して足りない部分を補完したり、多面的・多層的に創作してくれるとか、自分でも気付かなかった新しい視点の発見などを期待していたんですが、全く機能しませんでした。ライターの端くれとして、つい厳し目に評価し過ぎているわけでもないと思いますが、劣化コピー以上の印象はありません。フロントエンドとしても辛い :'(

一般の人—コピーライティングという仕事が、最終的に表に出ている文字数の文章だけを書く作業だと誤解しているような人ががんばって書いた、ちょっと物足りない仕上がりでした。または、クラウドソーシングで、テーマやスキルに関係なくやたら『SEOを意識した記事が書けます!』をゴリ押ししてくる人のような印象とでもいうか…あれ?ということは、その程度のクオリティーは実現されているってこと!?w いや、次の発注は無いなぁ。

とにかく、AIジェネレーターの機能やサブスクリプションコストと、クラウドソーシングでのコミュニケーションコストや外注費とを比べて迷いたくなるレベルにはまだなかった、というのが率直な印象です。とはいえそれでも、今後の機能強化や改善には大いに期待してます <3

AIと人が切磋琢磨する旅は続く…

私の個人的なスタンスとしては一貫して、『人が無理してがんばらなくてもいい作業は、どんどんテクノロジーに任せ、ちょっとしたアレンジやテイスト、揺らぎ部分に人の能力を使いたい』派です。先日も、ロゴのラフアイデアのパターン生成に、AIジェネレーターを併用しました。どれもまだそのまま使えるクオリティーではありませんでしたが、言語化が難しいクライアントの好みや希望を絞り込むステップとしては、それなりに機能していると感じています。

文章—特に日本語は、世界的に見ても面倒かつ特殊な文化にあるといわれていますが、天気予報やスポーツの結果、株価など、一定のフォーマットがあるニュースは、一部が自動生成されているとも聞きます。昨今の驚異的なGPT-3の成長ぶりを見ていると、自然な日本語のテキスト生成も、思った以上に早く実現するかもしれません。どの程度まで許可されるかはともかく、作家や小説家の文体風なんか、間違いなくできますよね。

今回、Catchyを軽く使ってみて、むしろRytr(+DeepL)の優秀さを感じた点もあります。小説や歌詞、エッセイ、ストーリーに特化したAIが、コンテンツをどのように膨らませるのか?にも、とても興味があります。Catchyにも書かせてみたい具体的なテーマがいくつも思い浮かんでいるので、引き続きテストしていくつもりです。続報にご期待ください 😉


kotobato

いろいろなテキストを書いたり、デザインに関するクリエイティブワークをやってます。ソーシャルやインストラクションもお任せ!どうぞお気軽にお声掛け・ご相談ください。
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