夏に名作を耳で聞くAudibleのオーディオブック

連日、猛暑が続く夏休みまっただ中。夏休みと言えば、読書。そう、毎年、新潮文庫などの夏のフェアには、多感な青少年にアピールする秀逸なコピーが踊っていたものでした。

ここのところ、何らかのマニュアル的な本以外の書籍や雑誌を買うことも読むことも減っていることに、かなりの危機感を感じています。それでも少しでも読書的なことを楽しめるアプローチをしています。

最近、聞いているのがAudibleの「ききみみ名作文庫」。これは、名作文学の朗読です。

太宰 治、梶井 基次郎、芥川 龍之介、菊池 寛、新美 南吉など、確かに「新潮文庫の100冊」に入っていたような作家の代表作が配信されています。忘れていた「走れメロス」や「杜子春」の細かいストーリーに、柄にもなく聞き入ってしまいました。

それもそのはず。朗読するのが、竹中 直人、横内 正、西村 知美、大塚 明夫、栗原 小巻、林 隆三、宮崎 美子などの豪華な俳優・声優陣。情感たっぷりで見事に読み上げます。常田 富士男の朗読は凄いですよ。口元が緩い人特有の、唇の内側に溜まった唾が立てるペチャペチャした音がしっかり聞こえます(笑)。もし、こんな生々しい音を、イヤフォンを通して聞かされたら、ASMRとは違う意味で鳥肌間違いなし。


オーディオブックは、絵やアニメーション、写真、文字が一切無く、もちろんカバーアートや歌詞を気にすることもありません。限られた情報によって一層掻き立てられる想像力。ただただ、名優たちの声や息づかい、間の取り方に耳を傾けます。

名作には、名作として残るだけの所以があります。そして、夏に出会う作品には、それだけのきっかけがあるはず、と思ったりします。