
長年使ってきた古い体重体組成計から、モバイルバッテリーで知られるAnkerブランドの、スマート体重体組成計に変えてみました。ただ乗るだけで、自動的にスマートフォンに体重や体脂肪率、心拍数など、16項目ものデータが同期されるので、健康管理もとっても楽です。つまり、自分の体より一足先に、体重体組成計そものもからスマートになってみた、というわけ。
何かを続けるコツは、とにかく楽をしてストレスを減らすこと
iOSには、「ヘルスケア」といわれる健康管理の仕組みがあります。AndroidならGoogle Fitですね。体重や体脂肪率、歩数だけでなく、心拍数や睡眠時間、血圧、さらに投薬や眼の健診記録、女性なら月経周期など、健康や生活に関するさまざまなデータを統合的に管理できます。スマートウォッチをしていた人が転倒して自動通報されたり、心房細動が検知されて助かったといった話は、時々ニュースにもなっています(一方、スキー場の転倒で緊急ではない通報が頻発という問題も)。
この細かい項目が増える一方の「ヘルスケア」への入力は、可能な限り自動化したいわけです。体重だって、初期登録さえ終わったら、後は毎日、入浴前にピッと測るだけにしたい!そこで、スマート体重体組成計が便利なんですね。
今まで使っていた体重体組成計は、「ヘルスケア」アプリと合わせて使うのが結構手間でした。まず電源をオンにし(メインのボタン1つか、他の4つ=4人のボタンか)、上に乗ってはいちいち目で確認した体重と体脂肪率の数字を、「ヘルスケア」アプリにちまちま入力していました。BMI(体格指数)値は、体重体組成計では計算されないので、体重と体脂肪率を「ヘルスケア」アプリに入力した後、いちいちボタンをタップしなければなりませんでした。
このちょっとした手間が、スマート体重体組成計Anker Eufy Smart Scale P2 Proを使うことで、極限までシンプルになりました!そうそう、前々からこういうのをやりたかったわけよ!!
スマート体重体組成計を使うと幸せになれそうな人
- 歩数や睡眠時間、体重、BMIをスマホで管理している健康管理フェチ
- 元気で健康ではいたいけど、面倒なのはイヤな合理主義者
- アクセシビリティートラッカーやシューズ、ウェアなど、いつも形から入る系
- スポーツやフィットネスなど、特に運動を何もやっていない、ダラダラ野郎
- 家族全員の健康な生活と平和を願うファミリー戦士
- 健康のためなら、少しぐらい死にそうになってもいいヘルスパラノイア
- 針式の体重計は、メモリと数字が小さくて読めないメガネ族
Anker Eufy Smart Scale P2 Proの特徴
- Ankerで、ライフスタイルやホームオートメーション系製品を展開するサブブランド「Eufy」の製品。
- スマートデバイスと連動した体重体組成計。計測したログは、専用モバイルアプリに自動同期される。
- 計測項目は、圧巻の16項目!
体重/体脂肪率/BMI/水分量/基礎代謝量/内臓脂肪/体脂肪量/除脂肪体重/骨量/筋肉量/心拍数/タンパク質/体内年齢/骨格筋量/皮下脂肪率/ボディタイプ - OSレベルで健康管理できる、iOSなら「ヘルスケア」、AndroidはGoogle Fitと連動。また、Fitbitなどのアクティビティートラッカーデバイスとも連動。
- 最初に基本設定でBluetooth接続さえしておけば、後は上に乗るだけ。いちいちスイッチをオンにする必要なし。使用後も、10秒で自動的に電源がオフに。
- 測定時にスマートフォンが近くになかったり、オフになっていても、次にアプリがアクティブになった時に測定値が反映される(これはちょっと注意があるので後述)。
- 登録できる最大人数は、特に明記なし。最少50 g単位で計測できるので、赤ちゃんやペットまで管理で可能。
- ちなみに、駆動は単4電池4本(Anker製バッテリーじゃなかった)。
Anker Eufy Smart Scale P2 Proの、ココはイイ!
- OSでバックグラウンド更新を許可していれば、アプリが起動していなくても、(ネットワークに接続されていれば)自動的に同期される。
- ログの書き出し機能がある。
Anker Eufy Smart Scale P2 Proの、ココは要注意だったりちょっと残念…
- 本体と、モバイルアプリを入れたスマートデバイスは近くにあることが前提なので、例えば、同居している高齢の親の体重や心拍数、骨格筋量は把握して管理できるが、離れて暮らす家族の状態は計測・共有できない(ただし、「ヘルスケア」側で可能)。
- EufyLifeアプリの起動には、パスワードを設定できない(でも、iOSの「ヘルスケア」アプリは、そのままパスワードなしでアクセスできてしまうし…)。
- EufyLifeアプリに入力する「上腕二頭筋」「胸囲」「ウエスト」「ヒップ」「大腿部」は、毎回、同梱のメジャーでちまちま測って手入力するしかない。
- そのメジャーはせめて、ケースと一体型でクルクル収納されていてほしかった。使うとき、毎回、全部出しては、しまうときにまた丁寧に折りたたむのは面倒。
- 計測が完了したことを知らせる、ピッみたいなビープ音が鳴らない。
- 若年層の計測は、ゆらぎが大きいことも。
- 服を着たままで計測する着衣モードや、体脂肪率が極端に低いアスリートモードなどはなし(どちらも、エラーになったりはせず、そのまま計測する)。
- 冷たい冬の風呂場では、ガラスの天板がかなり冷たくなる。
- 大体、Anker Eufy Smart Scale P2 Proって製品名が、細切れで長いよ。
Anker Eufy Smart Scale P2 Proの開封から本体の設定まで
届いた箱のサイズは、完全にピザのLサイズでした。完全にデジタルガジェット系の雰囲気です。隅にあった150 cmのビニール製メージャーに、本気度(?)を感じましたw コレ、真剣にやらせる気だな、おい!
高さもわずか26 mmとコンパクトでスタイリッシュ。立てかけておいた本体が何かの拍子に倒れて端が欠けるとか、手にしたスマートフォンをうっかり落とすのがちと心配…。つい保護フィルムを貼ったり、角に保護材を貼りたくなります。
ちなみに、この電池カバーのすぐ下にシールが貼られているんですが、これを撮影しておくとmacOS Ventura 13のLiveText機能で、シリアルナンバーをそのままテキストとしてコピーできるので、記録を保存したり問い合わせの時が楽です(新しく買った機材は全部こうしてます)。
Anker Eufy Smart Scale P2 Pro本体の電源オン/オフ
周囲をぐるっと見渡しても、スイッチらしきモノがどこにもない!天板にも何も表示されない!ペアリングはどうするんだ?
裏の電池ボックスの上部にあった「UNIT」という謎の凹みが、電源ボタンだった模様。軽く1回タッチするだけで、電源がオンになり、天板上部にLEDの数字が大きく表示されます。毎日計測する時は、いちいちこの電源に触らなくても、軽く上に乗れば自動でオンになり、降りれば10秒でオフになります。
次で説明するモバイルアプリを設定していく途中で、Bluetoothを許可すれば、自動でペアリングされました。本体側で設定する操作はゼロでした。
EufyLifeモバイルアプリの設定
EufyLifeアプリをダウンロードして、初期設定します。アプリではまず「性別」と「生年月日」、「身長」を入力します。ちょっと抵抗はありますが、計測結果からの計算に必要らしく、まぁそうでしょう。
もう一つ気になったのは、Wi-Fiにつながっている状態でも、アプリに独自のWi-Fi情報の入力を求められること…しかも2.4 GHz指定。大丈夫かな。iOSの場合は「ヘルスケア」との連動を許可しますが、そうしないと魅力ありませんからね、仕方ない。心拍数って、足の裏でも測れるんですね!
Bluetoothデバイスのペアリングは、イヤフォンやスピーカーのようにリストから選ぶ手間もなく、いつの間にか勝手に完了していました。試しに、製品本体がオンになっている状態で、MacでBluetoothを確認してみたところ、デバイス一覧には表示されませんでした。モバイルアプリにだけ対応しているようです。
Anker Eufy Smart Scale P2 Proで実際に測定してみた
いよいよここからは、実際に使ってみた話です。とはいえ、使い方は至ってシンプルで、普通の体重計のようにただ乗るだけでOK。ただし、予め近くでEufyLifeアプリを起動しておくのがオススメです。
- 本体を認識できる距離で、スマートフォンのEufyLifeアプリを起動する。スマートフォンは握らず、見える近くにしばらく放置。
- Eufy Smart Scale P2 Pro本体を水平なところに置く。
- 片足で天板を押すとスイッチオン。LEDで数字が点灯して、0.00 kgと表示されるのを待つ。
- 計測中は、Bluetoothアイコンが点滅して、数字部分にアニメーションが表示される。EufyLifeアプリには、何が計測中かが次々に表示される。計測が終わるまでは静止。約10秒。
- 計測が完了すると、本体のLEDに体重とBMI、脈拍が順番に表示される。
- 降りて本体を片付ける。何もせずに10秒経過すると、自動的にスイッチオフ。
- EufyLifeアプリと「ヘルスケア」に記録されていることを確認して、終了する(使い方に慣れたら、最終同期の日時を見るだけで十分)。
EufyLifeアプリを起動して計測すると、初回の測定結果でユーザーが設定されます。アプリには、最後にAnker Eufy Smart Scale P2 Proに接続した日時が表示されます。2回目以降は、体重で誰なのかが推測されます(コレはいろいろ問題ありなので、後述)。
3Dモデルの変化がエグい
EufyLifeアプリに表示される3Dモデルが、入力した数値に合わせてリアルタイムに変わるのがエグいですw ゲームのアバターのように、髪型や服装までは弄れませんが、ここに自分の顔写真でも合成された日には…
入力するのは、「上腕二頭筋」「胸囲」「ウエスト」「ヒップ」「大腿部」の5箇所。新しい結果を入力すれば、直近を左、現在を右に並べて比較できます。モデルは、数値に合わせて微妙に変わっていきますが、はっきりわかるほど変化してたら、すぐ運動を!
ただコレ、定期的にわざわざメジャーで測って、ポチポチ手で入力するかなぁ。私は、やってもせいぜい月に1回がいいところ(一応、リマインダーは設定してみました)。本当なら、ZOZOスーツ風にピッタリ計測してほしいですが、あんなのをいちいち着たり脱いだりしたくないですし、何か繰り返し使えてしかも手軽なマーカーのようなデバイスと連動して、ピッと計ってくれたらいいんですけどね。ユーザーはどこまでもワガママですw
家族間で共有したくない情報管理が、ちと不評
計測したデータは、例えば保護者の一人が家族全員分を管理したり、全員が個別に管理することもできるようです。ただ、後者には他者とデータが同期ミスされてしまうゆらぎがある(!)ようで、カスタマーレビューを見ても、これがなかなか不評の様子。
Eufy Smart Scale P2 Proは、EufyLifeアプリを起動して計測すると、初回の測定結果でユーザーが設定される仕組みです。2回目以降は、直近の計測結果から最も近いユーザーで個人が推測され、記録されます。家族間でお互いの測定値を見られないようにするには、各自のスマートフォンにEufyLifeアプリをインストールし、個別にアカウントを作成して、同期させます。
しかし、これには2つ罠があるんですよ。まず一つは、同一人物だと推測するのが誤差3 kg以内というしきい値です。体格が似ている親子やきょうだいがいれば平気でその範囲でダブるでしょうし、折角の体組成計なのに、なぜ参照するのが体重だけ!?
もう一つは、本体での計測と、アプリへのデータの転送のタイミングが、リアルタイムでなくてもいいメリットが、裏目に出てしまうこと。例えば、スポーツをやっている体格のいい娘が計測した詳細な情報が、たまたま同じような体系のお父さんのスマートフォンにうっかり飛んでしまう!そんな事故。おい!マイナンバーかよ!!しかも、データを消すには、お父さん側のデバイスを操作するしかないとあれば、そりゃ、意味もなく憎まれるでしょうね :'(
一応、自分のスマホを必ず本体の近くに置き、アプリを確実に起動してから計測する癖をつけておけば回避策できます。ただ、それを忘れるからトラブルになるわけで、世の中、そんなに愛と慈しみと思いやりに溢れた家族ばかりじゃありません。親にムカつきながらも実家暮らしで、体重ぐらい測りたい荒れる若人はいます。
個人の健康データとデバイスにも、管理者が必須な時代
この問題は、AirTagやTile、mamorioのようなトラッカーや(Eufyも新しいクレジットカード型トラッカーを2023年2月にリリースしました)、Apple Watchなどのアクティビティートラッカー、そしてスマート化するトイレがさらに深刻になるはずです(トイレだけに洒落にならない漏洩レベルか…)。
ヘルステックやメディカルテック、フェムテックなど、個人の健康管理はますますスマート化が進んでいます。そうなると、各個人のデータや、専用・共有して使う家庭用デバイスにも、管理者が必須になっていくはずです。
複数ユーザーの同期の問題は、アプリのアップデートでより合理的に改善されることを期待しましょう。
総合的に判断して、Anker Eufy Smart Scale P2 Proは、スマート体重体組成計としてお勧めできます。機能と使い勝手、コストのバランスも優れています。一人暮らしの学生から、ペットがいる大家族、スマホが使える高齢者、運動といえば遅刻しそうな時に走るぐらいの人にまで、それぞれにメリットがあります。ギフト用でも手頃だと思います。
がんばって健康を管理するというより、『体重体組成計にデータを喰わせる』ぐらいの感覚でいいのかも。ロボット掃除機を使う前に、自分で床を片付ける、みたいなものかもしれません。私も、ちゃんと体重が最適化されて、QOLまで上がればいいんですが… <3