
昨日1日は映画の日、久しぶりに仕事の合間を縫って映画を見てきました。
去年、アメリカで公開されてから注目していた映画で、アメリカ前副大統領のアル・ゴアが進行役を務める、環境をテーマにした作品です。危機を煽るトンデモ・ムービーか、似非癒し映画なのか、という眉唾の割引もしつつ、アメリカの頂点に限りなく近づいた人間のドキュメンタリーに興味がありました。
ブッシュとの接戦で敗れたのは記憶に新しいところ…一度死んだ・死にかけた人間は、強い。京都議定書に批准しなかった最大の二酸化炭素排出国、世界最強国家で起こったハリケーン・カトリーナの惨劇…一部のテロが、イスラム過激派から西欧諸国に向けられている憎悪だとしたら、環境の激変は、地球から全人類に向けられている当然の反逆のように思えます。先延ばしが許されない深刻な問題提起でした。
しかし、この映画をここで紹介したかった理由は別にあります。実はこの映画は、1つのビジネスプレゼンテーションとして見ても興味深かったのです。流石は、大統領候補になった人の講演、聴衆へのアピールが非常に鮮やかです。
ストーリーは、ソースの確かな最新データを示し、聴衆に向かって語りかけ、時にはちゃんとジョークやシンプソンズのアニメも交えながら進みます。ゴアの生い立ちや、政治活動の側面も織り込まれます。一部のアメリカ人にありがちなオーバーアクションするでもなく静かに説明して行きます。
超横長の巨大なディスプレイに、昇降機まで使った演出と、派手なポイントもありましたが、基本的には本当に、グラフやチャート、スライドショーを中心としたプレゼンテーションが映画になったような感じです。
付け加えると、かつてこれほどまでに、Appleのプレゼンテーションソフトウェア「Keynote」を使った制作シーンと、Keynoteで作られた画面とが、スクリーンに映った映画は無かったはず(ちなみに、ゴアは2003年3月からAppleの社外取締役でもあります)。
環境問題は、その後、2015年に国連サミットで設定されるSDGs(持続可能な開発目標 Sustainable Development Goals)においても重要な項目で、17の目標の複数に関係しています。つまり、映画は昔の作品ですが、テーマは今とこれからに繋がっているんですね。