Webメディアから取材を受けた後で全否定された教訓

リモートや三密回避で対面の時間が限られる昨今、むしろこういう注意はより重要になっているのかもしれません。急に昔を思い出しての恨み節というわけではなく、現実として起きたことなので、自戒を込めてエントリーをアップデートして残しておきます。

今から10年ほど前、都内のとあるWebメディアの編集部から声が掛かって、取材を受けることになりました。当時はまだ、Web媒体だけでなく紙の雑誌にも記名原稿を書いていたりしたので、どこかで見つけてもらっていたようでした。取材といっても、直接の面会や電話取材ではなく、すべて設問に対する文章回答でした。私は、取材することはあっても受けるのは久しぶりでしたし、今回のスタイルも特異でしたが、自分の考えや目指していることを棚卸しするきっかけにもなると思い、受けることにしました。

コーナータイトルは「媒体道具進化論—メディアクリエイターのライティング技法」。それほど立派なことを語る(書く)つもりはなく、「進化論」や「メディアクリエイター」というフレーズは、あくまでも編集の都合。クライアントとのやり取りや情報収集、使っているツールや環境の話、ライティングや文章化のTipsめいた内容を書き連ねたように記憶しています(多分、基本の姿勢なんかはそんなに変わりないはず…手元のデータはもう読み返していませんが)。

そもそも、私自身が取材する側の経験として分かっていたことなんですが、口からリアルタイムに出てくるしゃべり言葉と、頭で考えて手で書く文章には大きな開きがあります。言いづらいことや考え込んでしまうこと、聞かれてイヤなこと、ついしゃべってしまうことが何もなければ、わさび抜き、チェリーピッキングになりがちで、読み物としてあまり面白くないはず。ある程度、しゃべりを意識した抑揚をつけたり、敢えて文体を少し崩したり。そういった編集を意識してしまう時点で、最初から別物です。この、自分をインタビューイ兼インタビュワーにして双方からツッコミを入れるというのは、なかなか身悶えするSM体験でした。自分の考え(に見せたい内容)と、他者の視点を認識して、自分の編集権限が及ばない場所に放置してみることは、冷静な観察記録でもありました。

校正を何度かやり取りし、先方のサーバーへアップロード。知り合いで読み物が好きな知人に頼んで、正式公開前に原稿を渡して読んでもらい、感想を聞きました。著者校正で微調整を経て、記事は公開されました。Twitterでも共有され、後から知りましたが、敢えて知らせなかった知人何人かの目にも止まりました。

ところがすぐに、突然、記事の公開が中止されたのです。事前事後の連絡もないどころか、『掲載した事実はないので取り消せ、口外もするな!』という意味不明で一方的なメールが届きました。事情を聞いても何の説明もなく、半ば恫喝めいた調子で高圧的に迫ってくる始末でした。校正時点のスクリーンショットは撮ったものの、魚拓のようなWebアーカイブには記録していませんでした。結局、その後も全く何のフォローもなく、単に無料で振り回されて気分を害しただけに終わりました。実は、掲載がきっかけで知り合った人もできたので、一時は感謝したいぐらいだっただけに、非常に残念でなりませんでした。

険悪な状況になってようやく、絶対に編集担当者の個人名が明らかにしたがらなかったり、連絡先がメールアドレス以外明かさない理由が、何となくわかった気もしました。ちなみに、そのWebメディアは今も現存して活動しているようです。いやはや…

この経験から学んだ自己防衛

人の振り見て我が振り直せ—ここまでは饒舌な前置きです。この経験も交えて、私が組織や個人に取材したり、仕事を依頼する時には、基本的に以下を実践し、定期的にテンプレートを更新し続けています。ある程度の規模以上のプロジェクトでは、別に用意した契約書や守秘義務契約書などを使います。

仕事を受けるときは逆の立場になるわけで、これらは立場の弱い私自身だけでなく、結局は相手との良好な関係も守ることになるんですよね。信頼なんて、築くのは大変でも、一瞬で吹っ飛びますから。

提案依頼内容(RFP)確認の主な項目

  • プロジェクト名および略称、略号
  • 目的と概要、あれば数値目標
  • 媒体や時期、期間
  • 関係者と役割、責任者
  • 報酬、経費
  • 前提事項、検討事項、制限事項
  • プロジェクトの管理、連絡方法
  • 法人の場合は法人番号
  • 組織および個人の連絡先、ソーシャルメディアアカウント
  • スケジュール
  • その他は、業務内容の種類によって