Oculus Go『Land’s End』で視線だけで地の果てまで行った

Land's End @utswo games

『Monument Valley』シリーズを制作したustwo games社が、VR用に作ったゲーム『Land’s End』。期待通り、本当に素晴らしい体験でした。これをやってみたくてOculus Goを買ったようなもの。絵本のような不思議な世界の中に入り込んで、新しい旅をしてみた感想を。

まず、ustwo games社が、iOS/Android用にリリースしていた『Monument Valley』。これは、ゲームというより、インタラクティブに操作しながら進めていく、絵本のような世界です。エッシャー風ともいえる錯視を利用した不思議な立体空間で、母娘のキャラクターを動かしながら、パズルを解いていきます。高い評価を得て、Apple Design Awards 2014を受賞しました。

Monument Valley
上質な絵本のような「Monument Valley」

続編の『Monument Valley 2』も、本当に素晴らしいアプリでした。こちらも絵本風で、ほとんど文章がないのですが、数少ないメッセージが非常に哲学的なのです。絵や演出は西洋的なのに、どこかしら東洋思想的な雰囲気も感じさせます。
『Monument Valley』ファンのコミュニティーも楽しく、キャラクターをテーマに絵を描いたり、コスプレしたり、ぬいぐるみを作ったりと、盛り上がりを見せています。

前置きが長くなりましたが、その同じデベロッパーが作ったのが、この『Land’s End』。期待しないはずがありません。

タイトル通り、最果ての地を思わせるようなステージが5つ用意されています。グランドキャニオンのような景色や、アイスランドのような異世界、謎の古代遺跡や雪山、ぐっと身近だと秋吉台の鍾乳洞っぽいところを、パズルを解きながら巡っていきます。

この『Land’s End』は、『Monument Valley』シリーズと違って、錯視的な仕掛けはありません。キャラクターも出てきません。操作は完全なハンズフリー。コントローラーを操作しなくても、画面上に表示されるマーカーをじーっと眺めるだけで、そっちの方向へ進んでいきます。視線だけで岩を掴んで動かす念力(!)は、中二病全開的サイキックな感覚です。

Land's Endのプレイ画面
「Land’s End」のプレイ画面

絵は3DのVRですが、導線はあくまでもリニアで進みます。Oculus Goが3軸センサー式なので、動きはどうしても制限されています。身を乗り出して見え方が変わったりはしませんし、オープンワールドRPGのように、地面を縦横無尽に歩き回ったりもしないので、3D酔いすることもありませんでした。

どれも難易度は高くありません。ただ、それが決してつまらないわけではなく、上下左右360度グルグル見回しても、疲れ切ってしまわないうちに終えられる、この軽さもまた気持ちいい要素です。

さて、こうなると『Monument Valley』の方に入ってみたくなるもの。もちろん、今までとはまた違う魅力的な体験のために、連日開発が続いていることでしょう。楽しみにしておきます。