
(株)BlueMemeさん主催のOutSystems Platform九州ユーザー会に参加してきました。冬の氷雨と寒風吹きすさぶ中、福岡と周辺の地域から40名ほどの方々がお集まりでした。
このOutSystems Platformとは、開発者ではない私がざっくりいうと、ソフトウェアでソフトウェアを開発・保守するシステム。「モデル駆動型開発」と呼ばれる、レゴブロックのようなモジュールを組み合わせていくことで、コードをゼロから書いていく従来の方法と比較して、約10倍という圧倒的な効率でシステム開発を可能にする仕組みです。世界各地のメーカーや行政、医療、金融、通販など幅広く使われていて、最大顧客がアメリカ陸軍というエンタープライズ向け製品です。
モデル駆動型は、今後主流となる開発方式といわれています。(株)BlueMeme代表取締役の松岡さんのプレゼンによれば、OutSystems Platformは現在、全世界で9万インストール超、アカウントの登録者数も100人/月(日本国内)と、導入スピードが急速に上がっているとのこと。国内導入の事業規模も想定以上の件数がかなりの割合を占め、大手組織が一気に現場に導入しているようです。ハンズオンセミナーやオンライントレーニングも頻繁に開催されています。
私がずっと魅力に感じているのは、「すべてが繋がる」こと。デモでは、電話やSMSのクラウドサービスTwilioと連携して、Excelで用意した顧客リストから電話を掛けるフローが、わずか10分ほどで披露されていました。FacebookやDropboxなど、SNSやクラウドサービスとも連携できるコネクターが豊富に用意されています。モバイル向けネイティブアプリまで書き出せるので、LINEやWeChatといったアジア圏で人気のサービスと繋がれば、さらにいろいろな可能性が広がりそうです。
オリジナルのゆるキャラ「クドウ先生(なぜかドイツ人設定)」のがんばりにも関わらず、実は、日本国内での情報は、導入事例の紹介も含め非常に限られています。これに対して、OutSystems社があるポルトガルとヨーロッパ、アメリカや中東などの海外では、かなり活発にカンファレンスやセミナー、ユーザーグループが活動していて、そのコントラストがはっきりしています。業界内でアドバンテージを得る戦略がクローズドな日本 vs オープンな海外という、文化的な違いも垣間見えて、なかなか興味深い点ではあります。
そういった状況も考えると、オフラインのリアルな情報交換の機会は今後ますます期待が高くなりそうです。福岡の直前には、関西でもかなりホットなユーザー会が催されたとのこと。今後の課題は、ユーザーサポート体制の強化らしく、現在、日本国内もワールドワイドでも、信じられないほどの少人数で回している現状を改善して、より質の高い顧客満足度を追求していくということでした。今後、ますます楽しみです。