FAXを完全には捨てられないならせめてオンラインFAXに切り替えを

日本以外の国では博物館に置かれている、古代文明の利器、FAX。もし、職場でまだ使っていたら、減価償却の期限を待たずに、使わせている・使っている人ごと今すぐさっさと処分!『そうはいっても、すぐには止められなくて…』ということもありますか…そうですか、まだこの期に及んで言い訳を…。

だったらせめて、オンラインで送受信できるFAXサービスに切り替えましょうよ!SaaS(ソフトウェアとしてのサービス)なので、自社のニーズに合わせて使えます。相手とのやり取りが紙ベースだったり、年間のFAX送受信枚数が多い現場でも、FAX機のある場所に縛られないサービスは非常にお勧め。履歴やアーカイブの管理もとっても楽。『なぜもっと早くこれを使わなかったんだ!』と思うぐらい便利です。
ただし!最初にいっておきますが、今回紹介するサービスは、あくまでも「つなぎ」。ビジネスで生き残っていくためのゴールは、そこじゃない…

途中のページに、私が実際に使っている2つのサービスのお得な招待コードを置いておきます。

そもそも、FAXのデメリットが多すぎる!

  • 他のビジネス情報との一元管理がし辛い。
  • FAX機が置かれている場所でしか使えない。
  • 既存のドキュメントは、解像度が低いFAXで送受信すると潰れてしまったり、色が分からない。
  • 手書きの情報は判読できないことがある。
  • 大量の情報を送るときに時間と通信費が掛かりすぎる。
  • FAX機の設置場所が邪魔。
  • 紙、トナー、電気代などが発生し、コピー機や複合機など、リース料が無駄に掛かる。
  • 送受信する紙の管理コストが掛かり、紙の処分には、別にシュレッダー作業が必要。
  • 履歴が簡単にはわからない。
  • 相手先が使っていない可能性が高い。

オンラインFAXサービスのここがいい!

  • 紙が不要なので、無駄な紙の管理や処分も要らない。
  • FAX機がある場所に縛られない。Webブラウザーやデスクトップアプリケーションから送受信できる。出先からもスマホで送受信が可能。
  • ファイル送信サービスや、メールに添付ファイルを付けるような感覚で、カンタンに使える。GoogleドライブやDropbox、OneDriveなど、主要なパブリッククラウドから直接ファイルを添付できる。
  • 送受信のコストが圧倒的に安い。コンビニやビジネスセンターを使ってFAXを送受信するコストより遙かに安い。大量の一括送信も楽。
  • デスクトップで管理している既存の送信先リストを、同期やコピー&ペーストでそのまま使える。
  • 組織やチームで書類や送受信のログも管理可能。予約送信や文面の下書きも保存OK。
  • FAX専用電話番号も取得できる。
  • 使いたい機能や送受信量に応じて、年間または月額で契約できる。不要になったら解約。

オンラインFAXサービスのここは要注意

  • ビジネスのフローやワークスタイル全体の見直しとセットが不可欠!
  • すでに紙の状態になっているものを送る場合は、スキャンが必要。どうしてもアウトプットが紙で必要な場合には、プリントアウトの手間が掛かる。
  • 既存のFAX番号をそのまま引き継げるかどうかは、サービス次第。
  • 日本国内のサービスは割高。
  • サービス提供会社のメンテナンス中には、送受信ができない可能性がある。

オススメのFAXサービス、PamFaxとHelloFAX

私が実際に使っているFAXサービスを2つ紹介します。使っているといっても、ここ数年はアカウントだけ残してほぼ放置状態。『どうしても必要になった時には、いつでもすぐに使える』状態の安心感にコストを払っているようなものです。
国内外のサービスをいくつか使って来ましたが、当初はポケットベルの番号を流用したFAXサービスや、無料である程度使えるサービスもありました。世界規模でFAXのニーズは激減しているためでしょう、淘汰されているようです。
機能とコストのバランスを考えて、今はこの2つだけです。海外サービスとはいえ、日本語環境で使うのにまったく問題ありません。

PamFax

【ここから登録してプラン契約で無料送信枚数をゲット】
オンラインFAXで何といっても圧倒的に安いのが魅力。専用の電話番号も取得可能。受信通知は、FacebookやSkype、Telegramなどでも受け取れる。

HelloFAX

【ここから登録して無料送信を5枚ゲット】
ツイートやFacebookのシェアで無料送信をゲット。チュートリアルもあり。
オンライン電子署名HelloSignと連動して使える、というかHelloSignがむしろ本体。
HelloSignは2019年Dropboxの傘下になったので、いずれDropboxに置いた書類に直接署名(または手書き!)できるはず。
(表示はアルファベットですが、ログインすれば日本語ページへ)

オンラインFAXサービスへの乗り換えは、拍子抜けするほど楽!

  • 一般のWebサービスのようにアカウントを登録する。送受信する量や期間でプランを契約する。
  • デスクトップアプリケーション、モバイルアプリがあればダウンロードして設定する。
  • 表紙に入れる自社の情報やロゴ、担当者の連絡先などを設定する。
  • 送信先を登録する(頻繁に送るなら住所録へ登録)。パソコンやスマホの住所録を参照したり、コピー&ペーストも可能。
  • ファイル転送サービスやメールの添付を使うように、必要な書類があれば登録して、送信する。送信ログもチェック。
  • 受信は、FAXが届いたら通知で知らせてくれるので、受信箱をチェック。内容を確認したり、ダウンロード。

FAX機を完全に捨てて10年弱…

私は、ババ抜きのジョーカーのように、紙は極力受け取らないスタイルにしています。FAXを処分したのも、かなりギリギリまで引っ張った末の判断でした。

私が仕事をし始めた90年代後半は、まだFAXが主流でした。夜中に、海外へ国際FAXして、高い通信料を払ってたりしましたし。個人で使う機械も、固定電話とセットになったFAX機から、FAX機能付きの複合機に乗り替えましたが、複合機の機種変更で2011年頃には、FAXの番号だけ残して機械にサヨナラ。その番号も2013年には解約しました。やめたところで、もう影響はほとんどなかったので、取引先にアナウンスすらしませんでした。掛かっていた運営コストは、そのままFAXサービスの契約や、別のプラグインの購入費用に充てました。

数年前にFAXサービスを使ったのは、確か、Amazon KDP用にW-8BEN(米国の源泉徴収に関する受益者の外国での証明書)の手続きで送信した時。次はあるんでしょうか…

そもそもFAXや紙に固執すること自体が無駄!

オンラインで送受信できるFAXサービスは、年間契約がオトクですし確かに便利な面もありますが、使うとしても、あくまでも「仕事のやり方を変えていく途中の繋ぎ」だと割り切りましょう。『どうしてもFAXでなければならない』『FAXを捨てられない』と思い込むのは、ただの思考停止です。

今や、当たり前にメールやチャット、クラウドサービス、スマートフォンが、いろいろなビジネスシーンで不可欠です。紙や手書きで指示をやり取りするような、くだらない作業をどうやって止めればいいか。例えば、iPad+Apple Pencilを使ったり、PDFの注釈でやり取りする作業を併用しながら、ワークスタイルをシフトさせていくことが不可欠です。


例えば、飲食店のバックヤードや工場で、取引先や納品業者への連絡が、FAXに最適化されてしまっているとか、手書きでメモした内容をそのまま送る方が楽だ、という現場は珍しくありません。手書き・手描きの方が、情報の伝え方としてメリットがある場合もあるので、そこを変える必要はありません。ただ、FAXは、あり得ない!実際、手書きの紙をスマホで撮影し、メールやメッセンジャーで送るだけでも遙かに効率化できます(ただし、受発注記録や在庫管理とは連動しない)。

つまり、これもDX(デジタルトランスフォーメーション)の一つといえば、そうなんです(ただし、欧米のDXではなく、あくまでも日本型の)。単なるIT化ではなく、業務フローそのものを見直す必要があるわけで、今さらFAXをWebサービスに切り替えたぐらいで、仕事の効率が上がるわけじゃありません。むしろ、今頃まだFAX云々を考えるなんて、周回遅れ以上のヤバさに危機感を感じないなら、FAXと一緒にゴミ箱へ。『なぜ、まだFAXを使ってきたのか?』『本当にFAXでなければならないのか?』『果たしてコストはペイしているのか?』をシビアにチェックし、期限を切って早急に改善しましょう。