STATION DESKはコワーキングしない作業にいい集中デスクだった

エントランス1

東京駅の地下に2019年11月末にオープンした、STATION DESKを使ってきました。電話ボックスというか、シャワーブース風のSTATION WORKの方を使ったことがありましたが、さて、その違いや使い勝手は?

[追記:2022/07/29]
博多駅構内にも、一人用のSTATION BOOTHがオープンするそうなので、機会があればそのうち覗いてみます。このコロナ禍の2年で、他の私鉄各社でも似たようなサービスが始まっていますね。
STATION WORK
STATION WORKの中にある一部のコーナーがSTATION DESK。

STATION DESKの特徴

STATION DESK内のマップ
いろいろなデスクタイプが充実。
  • JR東日本が駅ナカで展開する、無人の(コ)ワーキングスペース
  • 机と電源、Wi-Fi、無料のドリンクあり。
  • STATION WORKよりも広く、いろいろなシートタイプあり
  • 今のところ、東京駅の地下南口だけ。
  • 退出や一時離席も可能
  • 利用開始直前でもキャンセル可能(キャンセル料無し)
  • 料金はキャンペーンで15分162円、通常は同270円(税込)
  • 予約はオンライン、解錠には交通系ICカードまたはQRコード。決済は、クレジットカードまたは交通系ICカード

STATION DESKのココがイイ!

  • STATION WORKよりも広いスペースの中に、いろいろなシートタイプがあって選べる
  • スマホで登録、予約、決済完了。シンプルな料金体系
  • 駅ナカなので移動中に立ち寄りやすい(人は、使いやすいかも)。

STATION WORKとはココが違う!

  • デスクタイプが選べる。STATION WORKよりは広い。
  • 2人でも利用可能で、キャンペーンで15分216円(税込)。
  • オンライン会議や電話用のブースあり。
  • 無料のドリンクサーバーあり。
  • 退出や一時離席の時にも、QRコードをかざす操作が必要(STATION WORKは[開く]ボタン)。

STATION DESKのココはイマイチ…

  • とにかく、場所が分かり辛い!
  • 料金の上限設定がない(料金自体、会員登録しないと表示されない)
  • Webサイトがちょっと見辛く、使い辛い。
  • 設置場所が増えないと、使う機会がない。

使うまでのフロー(STATION WORKとほぼ同じ)

  1. サイトにアクセスし、ユーザー登録しておく。
  2. 使いたいデスクタイプを時間を確認し、予約する。
  3. 時間になったらブースの前に行き、WebブラウザーでページのQRコードを表示させる。
  4. ブースの扉横にあるパネルで、QRコードリーダーを起動して、コードを読ませる。
  5. ドアが開くので、サッと入室。
  6. 電源やWi-Fiを設定して作業に専念(予約終了の5分前の自動アナウンスなどはなし)。
  7. 出入り口横にある室内のリーダーにコードをかざして退出。
シートと時間帯の検索結果
空いているシートと時間帯を選んで予約。

とにかく場所が分かりづらい!

動輪の広場
「動輪の広場」までは来たものの…。

予約していた時間よりも30分ほど早く着いたにもかかわらず、案内板にも表示はなく、どうしても見つけられずに、ウロウロしながら探すこと約15分。前回のSTATION WORKの時同様に、窓口まで行ってJRの職員さんに尋ねました。社内情報通達は素晴らしく、大体の場所だけは答えてくれました。

インフォメーション窓口
存在は知られている模様。
地下街の団体集合場所前
この団体集合場所の正面でした。

そうしてようやく、コインロッカーの列の間にSTATION DESKのサインを見つけました。これはどう見ても、銀行の関係者だけしか入れない、セキュリティー用ドア。しかも、コインロッカーの列の間には、同じような扉がいくつかあり、これがカムフラージュになっているのも、さらに気づきにくい原因でした。

エントランス1
こ、こんなに銀行の夜間金庫風だとは…
エントランス2
コインロッカーの管理室か何かだとばかり…

【動輪の広場のすぐ横の、団体集合場所へ行って、目の前のコインロッカーの間!】
Googleストリートビューでは、まだ昔の写真ですが、今はこのコインロッカーの一部が撤去されて、その間に入口が設置されています。

クローズドなので、集中には最適

中の様子
ブースやカウンターなど、いろいろ。

STATION WORKと違うのは、中の様子が全くわからないこと(外観の大きな違いも、見つけられなかった原因の一つ)。中からも外が見えない分、集中には向いているでしょう。さらに、一部のブースは扉が閉められます。今はまだほとんど利用者が限られているため、静かなのもメリット。別に、コワーキング coworking じゃなく、個ワーキングのためのスペースですね。

無人の昼寝スペースにも!?

デスク
デスクの広さは、これだけあれば短時間作業には十分。
横の壁の電源
電源は横の壁ですが、はまったカップが取り出し辛かった…
足下のスペース
足下も、電話ボックス型よりもやや広い。
電話ブース
奥には、電話や遠隔ミーティング用のブースも。

周りが静かだからか、むしろBGMの音が大きくて、ちょっと耳障りでした。しかし、無人ですし、どこかに操作パネルがあるわけでもないので、自分でイヤフォンをするぐらいしか、調整の方法がありませんでした。

ふと、そのBGMにリズムを合わせるかのように、どこからかいびきが聞こえてきたりw …と思っていたところ、どうも微妙な空調の音だったよう。でも、個室の昼寝スペースとしてもいいかもしれません。いびきで他者を邪魔しなければ。

Webサイトがちょっと分かりにくいかも

分かりにくいといえば、場所だけではありません。前回も感じたんですが、Webサイトが何となく使い辛いんです(少なくともPC版は)。リンクとボタンが同じ表示だったり、なかなかトリッキーでした。誤字もあったし…。

そもそも、このワーキングスペースサービス全体が「STATION WORK」で、その一部であるいろいろなデスクタイプが利用できる形態を特別に「STATION DESK」と呼んでいるようですが、これも紛らわしいと思いますが。

シートタイプとカレンダー
リンクとボタンが分かりづらい。

今、街中に増えているコワーキングスペースは、起業やマッチングを支援したり、オシャレ高級路線だったり、イベントを通じてコミュニティーを作ることで差別化し、利用者を獲得しようとしているようです。この辺りは、書店やミニシアターと同じですね。

カフェはセキュリティーやノイズが気になるし、オンラインミーティングには適さない。その一方、コワーキングスペースへ行くほどではない。誰かと共同作業や会話しなくても、とにかく集中できる場所の時間貸しというニーズは、一定数ある気はします。STATION DESKは、予約者だけに許された秘密の扉が開く様子も珍しいのか、目立たない場所ながら、パンフレットを取っていく人も何人かいました。時間帯によっては混んでいたので、人の多い東京では、今後この形態も増えていくかもしれません。