
『少し前の本だし、続編だし…』と思って、甘く見て読み始めたわけではないのだが、今回も本当にグサグサと本当に苦しかった。
前回の『嫌われる勇気』と同様、物語の体裁を取った哲学的なやり取りで進むのだが、どうしても自分の内面と対峙せざるを得ず、読んでいて唾液が苦くなりっぱなしなのだ。自分の子供の頃だけでなく、今に当てはまることがありすぎて辛い。もちろん、それをわかっていて買って、開いたのだが、結局、途中で止めることができないまま、一気に読み終えた。
残酷な勇気、読む劇薬。世界は、人生はシンプルだが、そうあり続けるのは難しいと説く。幸せになるより、嫌われる方が楽なのに。人間は、その身体的な弱さによって、共同体感覚を無しには生きられないという指摘など、自分がまさに社会的・精神的ハンディーキャッパーである現実を突きつけられる。
知って、覚えた気になるのではなく、できるのはただ知ろうとし続けることだけだ。つまり、前作も合わせて、時々読み返して血を流すのは、決して無駄ではないと信じたい。