700年前のブログに見るネーミングの戒め

商品やサービスのネーミングの心得は、鎌倉時代の人気ブログ『徒然草』で吉田 兼好が指摘していました。これを読むと、最近の子どものキラキラネームのブームを連想せずにはいられません。

ただ、他者と差別化が必須なサービスやブランド名は、ある程度小細工せざるを得ないのもまた事実。日頃の自分への心得としてメモしておきます。

お寺の名前や、その他の様々な物に名前を付けるとき、昔の人は、何も考えずに、ただありのままに、わかりやすく付けたものだ。最近になって、よく考えたのかどうか知らないが、小細工したことを見せつけるように付けた名前は嫌らしい。人の名前にしても、見たことのない珍しい漢字を使っても、まったく意味がない。
どんなことも、珍しさを追求して、一般的ではないものをありがたがるのは、薄っぺらな教養しかない人が必ずやりそうなことである。

原文
寺院の号、さらぬ万の物にも、名を付くる事、昔の人は、少しも求めず、たゞ、ありのまゝに、やすく付けけるなり。この比は、深く案じ、才覚をあらはさんとしたるやうに聞ゆる、いとむつかし。人の名も、目慣れぬ文字を付かんとする、益なき事なり。
何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。

徒然草(吉田兼好著・吾妻利秋訳)第百十六段
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