iPadと同じサイズと重さのステンレス製お盆を作ってみた話

さて、今年の夏休みも残り一週間ほど。大人の宿題の工作として、タイトルの通り初代iPadを作ってみました。その名も「traiPad(トレイパッド)」

これは何かというと、iPadの実機と全く同じ縦横サイズと重さの、ステンレス製のおぼん(トレイ)です。要は、『iPadって思っていたより重たいし、大きさもちょうどステンレスのおぼんぐらいだよね』という、一部の人が抱いたかもしれない第一印象を実際に形にしてみました。

そもそも、これはiPhone発売の当初からやってみたかったことでした。Apple製品を長い間使っているユーザーならではの、捻曲がった愛情表現だと勘違いされているようですが、そうではありません。テーマは『くだらないことにまじめに取り組む』ことです。

一部の方には現物をお披露目しました(ビヤガーデンで枝豆を乗せられて!)が、段々と人に説明するのが面倒になったので、通販番組風ビデオを作ってYouTubeにアップロードしてみました。ここでは、詳細をメモしておきます。

  • 自作とは言いながら正確には、図面を渡して工場に発注して作ってもらいました。図面は、AppleのWebサイトでサイズや重量の仕様を調べ、高解像度の写真から起こしました。
  • 重さを合わせつつ質感の違いを出すために、3種類のステンレス素材を使い分けてもらっています。ベゼル(手で持つ時の周りの黒い縁)部分はつるりとした鏡面仕上げ、ディスプレイに相当する部分は細かい線が入ったヘアライン、ホームボタンはマットな表面です。
  • 溶接加工はしていません。金属に使う専用の接着剤を使い、プレス機で圧着させています。エッジは、グラインダーで削って滑らかな手触りに。
  • ビデオの最初の方で表面に見えている灰色のものは、表面を傷から守るビニールの皮膜です。納品された後で、自分ではぎ取りました。
  • 試行錯誤しながらだったので、発注から納品まで約10日でした(大半の時間は、実制作までの説得でしたし)。再制作すれば、実質3営業日ほどで可能なはず。
  • コストは材料費や作業工賃などすべて含めて20,000円弱。一度に量産(!)すればもっと下がるでしょう。

手に持った感覚としては、厚さが全く違うので、とにかく不思議な感じですね。ベッドで眠りながらiPadを使っていて、顔の上に落として歯を折ってしまった(!)人もいると聞くほどです。パッと見た目の大きさも重さもiPadと同じなのに、薄さが違うだけで、『やはり結構な重量だったんだな』と感じます。

肝心の使い心地(?)ですが、シャレで人に見せるために持ち歩くには結構な重さなので、iPadと違いTPOをかなり選ぶツールです。底は完全にフラットなので、水で濡れたガラステーブルに置いたりすると、隙間に空気が入らずにピッタリくっついて、掴むのが大変だったりもします。本当にトレイで使うなら、ここら辺は要改善でしょうか(何を)。

ディスプレイ部分に透明なパネルをはめて足下か裏にスタンドを付ければ、フォトフレームにできそうです。中央に付せん式のメモパッドを入れてもいいかもしれません。無難に、アプリアイコン風クッキーやチョコレートを並べたくもなります。


ということで、『これ欲しい!』『こんなカスタマイズできないか?』『7インチ版をAppleより先に作って!』という、奇特な現代の侘び寂の分かる方がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。オペレーターを増やしてお待ちしています!
* もし、Appleの法務部から怒られたら、その時考えます…