PDFの防災マップが我慢できないのでGISで作ってみた

新型コロナウイルスの影響で経済が失速したままの中、早くも第2波も気になるところ。それでもほぼ例年通りの時期に、九州南部と四国は梅雨入りしたとのことで、避難所での感染など、複合災害も心配です。
以前からずっと、災害が起きる度に不満に感じていたのは、防災マップやハザードマップが、PDFで提供されている(!)こと。自治体って、何でPDFが好きなんですかね?企業の謝罪文並みに。PDFだと、紙のレイアウトがそのまま流用できるから便利だという発想なんでしょうが、拡大縮小やスクロールして、場所を変えたり、詳細な情報を見ることができません。とにかく、役に立たない。辛うじてのデジタル化だとしても、DXにはほど遠い。
そこで、『文句があるなら、できるだけ自分で動いてみよう』ルールに準じて、できる範囲でテスト的に、GIS(地理情報システム)に展開してみました。GISは時々弄っていますが、以前は、世帯数を表示してみたり。その続きみたいなものです。

QGIS+Googleマップで、防災マップを作ってみよう

まず、最初に今回のできあがりを見てもらいましょう。こんな感じです。

Googleマップで作った防災マップ
Googleマップのマイマップで作った防災マップ(のキャプチャー)。実データは以下↓

使うもの

QGISアイコン
QGIS

今回も、オープンソースソフトウェアのGISプログラム、QGISのお世話になります。バージョンは3.12.3(ローカライズプロジェクトにも参加していますが、すみません、最近サボってます…)。QGISのファイルは拡張子qgz。地物(ちぶつ:地図上に描かれている情報)の情報は、外部に置いたデータを参照するので、QGISのファイルサイズはとても小さいのも特長です。
Pythonは3.8.3。パソコンはMac/Windowsどちらでも。マップを大きく表示できた方が操作しやすいので、それなりのスペックで大画面がオススメ。

  • QGIS 3.12.3
  • Python 3.8.3
  • それなりのスペックのパソコンとWebブラウザー、できれば大きなディスプレイ

GISで防災マップを作るとココがイイ!

  • Googleマップアプリの上に重ねて使える
  • 更新できる
  • 人にシェアできる
  • QGISなど、オープンソースソフトウェアでも作れる

今回のGIS防災マップのココはイマイチ

  • あくまでも福岡市(の一部)だけの防災マップ
  • 使うShapeファイルのデータがやや古く(平成22〜28年)、もしかするとPDFの方が新しいのかもw
  • Googleマップベースだと、読み込めるデータサイズや内容に制限あり
  • 仮にKMLファイルが更新されても、すぐにマップ側に反映される訳ではない

QGISでShapeファイルを編集し、KMLファイルを書き出す

では、ここからマップを作っていきましょう。今回は、福岡市の防災マップを作ってみます。必要なのは、浸水が想定される場所や崖崩れなど、福岡市内の危険箇所のGMLかShapeファイルです。福岡市は北側が海なので、海岸線は津波や高潮もあるでしょうし、雪害などは必要なさそうです。

  1. 国土交通省のサイトから、必要なGMLファイルのセット(中にShapeファイル入り)をダウンロードします。

今回は、災害・防災関連のうち、以下のデータをダウンロードしました。欲しいのは、福岡市の分だけですが、市区町村単位のデータはないので、福岡県のデータを使い、不要なデータを削除することにします。平成22〜28年とちょっと古いですが、他にないので仕方ありません(ちょっとシビアな話をすると、整備の頻度や精度は、各自治体の財政状況次第)。
なお、このWebページには、Shapeファイルの属性も表示されていますが、実はこれがダウンロードするShapeデータの中では必ずしも表示されないのです。パソコンのメモリが許せば、開いたままにしておくと、後でQGISにコピー&ペーストできるので便利です。

  • 避難施設 P20-12_40_GML
  • 土砂災害・雪崩メッシュ A30a5-11_5030-jgd_GML
  • 土砂災害危険箇所(ポリゴン/ライン/ポイント) A26-10_40_GML
  • 土砂災害警戒区域(ポリゴン) A33-18_40_GML
  • 浸水想定区域(ポリゴン) A31-12_40_GML
  • 津波浸水想定(ポリゴン) A40-16_40_GML