多数のファイルもコレでカタログ管理すれば便利:NeoFinder 3

NeoFinder
NeoFinder

連載の最終回は、デジタル資産管理ユーティリティーNeoFinderの具体的な使い方について説明しましょう。使ったことがない人でも、前回までの2回と通しで読むと、いろいろなフォーマットのファイルをまとめてブラウズしたり、管理できるメリットがきっとわかるはず!

[追記 2023/03/11] WebPなど、macOSのFinderでプレビューが表示されても、NeoFinderのカタログではプレビューが表示されないビデオファイルがあります。これは、ffmpegをNeoFinderのシステムフォルダへ入れて、カタログをアップデートすることで解決します。
Use ffmpeg for more video file support in NeoFinder
https://www.cdfinder.de/guide/22/22.7/neofinder_ffmpeg.html

NeoFinderのカタログの登録方法

  1. NeoFinderをダウンロードし、インストールする。アクセスや通知を許可する。
NeoFinderの通知設定
NeoFinderの通知設定
NeoFinderのアクセス許可
NeoFinderのアクセス許可
  1. アプリケーションを起動すると、サンプル「Sample Catalog」の内容が表示された状態。
NeoFinderのメインウインド
NeoFinderのメインウインド
  1. まず、「環境設定」で「全般」「ラベル」「カタログ化」「オーディオCD」を確認する。「全般」-「カタログの追加フィールドの名前」と「ラベル」のフィールドは、どちらも空欄がオススメ(ただし現状、強制的に元に戻る現象があり、確認中)。
  1. 「カタログ化」では、「Metadata」「アーカイブを読む」「無視する」のタブでオプションを設定して、「環境設定」を閉じる。
  1. ウインドウ左側の「ライブラリ」に、カタログを登録したいフォルダやボリューム、メディアをドラッグすると、枠がハイライトされるのでそのままドロップする。ウインドウ左下の[+]ボタンで追加してもOK。また、他社のカタログツールを使っていた場合は、「ファイル」>「カタログをインポート…」も可能。
  2. ファイルの数によっては、しばらく放置。終了したら、(ONにしていれば)「通知センター」のサウンドが鳴り、NeoFinderのウインドウの「ライブラリ」に、新しいカタログが登録される。
    削除はメニューコマンドで(後述)。

NeoFinderのカタログの管理や編集

  1. カタログの設定を変える場合は、カタログのアイコンを右クリックして表示される「Cataloging Preferences…」ダイアログボックスを確認する(基本は「環境設定」と同じ設定)。
ファイルの削除
ファイルの削除
  1. カタログを更新する場合は、カタログのアイコンを右クリックして表示される「ソフトウェアアップデート…」を選択する(このメニューコマンド名も紛らわしい!)。フォルダやボリュームでファイルを変更し、カタログを手動で更新する場合に使う。ビジネスライセンスで購入している場合は、一定間隔の自動更新が可能。
  1. カタログからファイルやフォルダを削除する場合は、カタログのアイコンを右クリックして表示されるメニューで、「Remove from Catalog(カタログから削除)」「Delte from Catalog and Volume(カタログとボリュームから削除する)」を選ぶ(前者は、実ファイルが残る)。

NeoFinderのカタログからファイルを探す

NeoFinderにはいろいろな検索方法があり、とても柔軟です。なるほど、確かに「新しいFinder」感はあって、写真.appやミュージック.appにも似ている操作感。

NeoFinderの豊富な検索方法
NeoFinderの豊富な検索方法
Finderで検索
Finderで検索
  • NeoFinderのウインドウ左上に表示される検索窓でクイックサーチ
  • ウインドウ上部中央に表示される[検索]ボタンで、詳細なオプションを設定して検索
  • ファイルを右クリックしたコンテクストメニューで、「ファイル名」「作成日」「似たもの」を検索
  • ウインドウ下の「Filter」をチェックして絞り込む
  • XMP/IPTCフィールドで、ファイルに付けられたキーワードやタグで検索
  • Finderのメニューバーから、キーワード検索
  • Finderのコンテクストメニューで、NeoFinderを起動して検索

NeoFinderでスマートフォルダとアルバムを使う

検索条件を組み合わせて、スマートフォルダを作っておくのも便利です。設定もほぼ、Finderのスマートフォルダと同じ(ANDやORの複合検索が設定できないのが残念)。ウインドウ中央上部の[検索]ボタンをクリックし、条件を設定して、名前を付けて[保存]ボタンをクリックするだけです。

スマートフォルダを作る
スマートフォルダを作る

例えば『XX月XX日以降に撮影された、シャッタースピードが1/XXで、ファイルサイズがXX MB以上の写真を、すべてのカタログとSpotlightで探す』ような設定を、スマートフォルダとして設定しておけば、いちいち探す手間も不要。

ただ、設定済みのスマートフォルダを選ぶたびに、条件に合わせて新しく検索します。対象範囲が広かったり、ファイルが多い場合は、一瞬待ち時間が発生する点は注意。

また、任意のファイルだけをまとめておきたい時に便利なのがアルバム。ウインドウ左下の[+]ボタンで、先にアルバムを作っておいて、そこに好きなファイルを放り込むだけでOKです(Finderで使うフォルダのような感覚)。または、ビューワーで任意のファイルを選択し、右クリックで新規アルバムを作ります。

アルバムを作る
アルバムを作る

NeoFinderでファイルの情報を見る

ビューワー内でファイルを選択すると、ウインドウ右側の「情報」パネルに詳しい情報が表示されます。写真や画像、プレゼンテーション、フォントなどではプレビューも表示されます。また、FinderでQuick Lookできるフォーマットは、NeoFinder内でもプレビューOK。日本語も文字化けせず、リッチテキストやExcelが閲覧できます。

NeoFinderでメタ情報を閲覧・編集する

NeoFinderでは、ファイルの中の詳しいメタ情報を見たり、編集できます。例えば、EXIFの撮影日時は編集可能です。中に埋め込まれた情報でなければ、ファイル名と同じXMPファイルが別に作られます。もちろん、これらの情報をキーワードにして、自由に検索OK。

写真:XMP、EXIF、IPTC(GPSジオタグを含む)、JPG/TIFF/PICT/RAW/BMPなどの​​詳細
ビデオ:縦横比、長さ、コーデック(圧縮方法)、フレームレートなど
オーディオ:著者、アルバム、タイトル、作曲者、歌詞、カバーアート、トラック番号、継続時間、ビットレート、ジャンル、年、コメント、ISRCなど

Adobeユーザーには、XMPも管理できるのは心強いところ。PhotoshopやBridgeで扱うXMP(拡張メタデータプラットフォーム)には、写真やビデオのタイトル/作成者/キーワード/評価/説明/明るさ/露出/コントラスト/著作権/位置情報など、さまざまな情報が記録されます。

JPEGの詳細
JPEGの詳細

人物が写っている写真やビデオは、プレビューの「Inspector Settings」で「Show Faces」がチェックされていれば、顔認証で人物が自動判断されます(黄緑の□)。「XMP/IPTC」の「People」にタグを入れれば、人物名として登録できます。使い勝手は今ひとつですが、写真の自動タグ付けエンジンがAPIで提供されているのが特徴的。

人物の顔認証
人物の顔認証

ウインドウ右下のマップには、写真とビデオのジオタグ(位置情報)の場所が表示されます。ジオタグは、閲覧/追加/編集/削除も可能。複数ファイルにまとめて設定したり、コピー&ペーストしたり、自由に使えます。近くの場所で撮影した写真だけを検索できるのは便利。

使われているのはOpenStreetMapですが、外部のアプリケーションやWebブラウザーも開けます。逆に、Google Earthアプリケーションで表示している座標を参照したり、外部環境との連携も柔軟。また、GPSデータをKMZファイルにエクスポートもできます。

NeoFinderのカタログを書き出す

カタログの情報は、テキストやxmlでエクスポートできます。「ファイル」>「書き出し」で、必要なフィールドにチェックして保存するだけ。納品データの一覧を作るときなどに便利です。

写真の一覧が欲しいときは、「Photo Contact Sheet」がお勧め。Photoshopにも同じような機能がありますが、レイアウトや、入れたい情報を添えて書き出せます。アクセスやセキュリティーの制限で、データベースやアルバムを共有できない相手にも、PDFなどで渡せます。

カタログの書き出しと、フォトコンタクトシート
カタログの書き出しと、フォトコンタクトシート

NeoFinderのカタログの取り扱い

ちなみに、カタログファイルは(実ファイル)、取り扱いにちょっと注意が必要です。カタログは「環境設定」>「データベースフォルダ」で指定された場所に、.neofinder7の拡張子で個別のファイルとして保存されます。ここから他の場所には移動できません。移しても「NeoFinder Database」フォルダに、新しく同じ名前で作られたカタログの方が更新されます。

そのため、Expression Media/Media Proのように、保存管理するデータが入っているフォルダに、カタログファイルも一緒に入れて使うことができません。これだとバックアップも楽でしたし、例えば『去年の同じプロジェクトから、未使用の写真だけ選び出して使う』ようなときにも、すぐにカタログとファイルが同じ場所で探せて便利だったんですけどね。

NeoFinderのカタログファイル
NeoFinderのカタログファイル

NeoFinderでは、普段はデータベースフォルダの中で使いながら、プロジェクトが終了した時に、別の場所に移して管理するような使い方になるでしょう。


さて、長いレポートにお付き合いいただいてありがとうございました。長年、デジタル資産管理のカタログユーティリティーを探し求め続けてきた流浪の民としては、まさに新発見としてのNeoFinder!しかし、今まで、使ったことがない人にはもちろん、複数ファイルの整理に困っている人なら、誰にでもお勧めできます。機能制限はありますが、無料のままで使い続けることができるので、まずは試すだけ試してみるのはいいですよ。