Macでビデオ会議するなら、仮想カメラCamTwistが最高だから急げ!

ビデオ会議にCamTwistが使えるんです、そうMacならね。今のうちなら、まだね。

深刻な新型コロナウイルスの影響で、条件が整っているかどうかに関わらず、リモートワーク(テレワーク)が急務になっています。リモートワークに利用できるサービスやツール、心得や環境などは、いろいろなメディアに溢れているので、ここでは別の切り口から、CamTwistをしつこく、熱く紹介します。

[追記 2023/10/24] macOS Sonoma 14.1では、仮想カメラの仕組みが新しいシステムに変わり、ついにCamTwistが使えなくなってしまいました :'( レガシーシステムを有効にすることで延命させる方法はありますが、私はそこまでやらないでしょう。今までありがとう!

CamTwistって何?

CamTwistは、macOS用のカメラユーティリティーです(ただし、開発は2017年で終了)。

CamTwistのアイコン
  • 「仮想カメラ」として機能するソフトウェア。任意のアプリケーションの、任意のウインドウだけを共有したり、ビデオの上にグラフィックスをオーバーレイさせたり、マウスでマーカーを手描きできる。
  • Macに内蔵されているカメラや外部カメラに、リアルタイムにいろいろなエフェクトを加えられる。ぼかし/MATRIX風/カラー調整/魚眼レンズ/カウントダウンなど、100種類ほど(ヘッダ画像はほんの一例)。
  • macOSのシステム自体が持つ機能を使うため、使うメモリが非常に少ない。CPUやネットワークに負荷を掛けないので、ストレスフリー。
  • CamTwist自体に、ビデオ配信の機能があるわけではなく、あくまでも映像入力ソースの一つ。例えば、Google Meetでビデオ通話するときに、内蔵カメラをそのまま使うのではなくCamTwistを指定すれば、Google Meetにない機能が使える。
  • 現行のソフトウェアで同じような仮想カメラ機能を果たすのは、mmhmm StudioやOBS Studio、ManyCam、Snap Cameraなど。このうち、mmhmm StudioとOBS Studioでは、CamTwistを入力ソースとして設定可能(つまり、仮想カメラの二段重ね)。
開発者による説明…もう10年も前のビデオ!

CamTwistはこんな人向け

  • スキルが中程度以上のMacユーザー
  • Google MeetやJitsi Meet、Skypeをもうちょっと拡張したい人
  • Microsoft TeamsやZoomを、アプリではなくWebブラウザー(ただしChrome系)で使っている人
  • Snap Cameraのようなツールもいいけれど、デバイスやネットワークの負荷を増やしたくない人
  • ライブ中継や、アーカイブ配信で、いろいろエフェクトを使いたい人
  • イベントやカンファレンス、トレーニングなどのビデオコンテンツ制作者
  • 導入に管理者からの許可が得られる皆さん

CamTwistのココがいい!

CamTwistのメインビュー
CamTwistのメインビュー。ダークモードにも対応。
  • ビデオ映像にさまざまなリアルタイムエフェクトを加えられる(OS X Mountain Lion 10.8なら、自作して追加も可能)。しかも、複数のエフェクトをレイヤーで重ねられる
  • 圧倒的に動作が軽く、回線やCPUを圧迫しない。
  • シンプルで分かりやすく、とても使いやすいUI
  • 仮想カメラとして、Google MeetやJitsi Meet、OBS Studioの入力ソースとして選択できる。
  • グラフィックスをオーバーレイさせたりもOK。写真はHEICフォーマットやPhotoshopがそのまま使える。PNGは背景抜きが可能。
  • クロマキー合成や、ピクチャーインピクチャー(PinP)もあり。
  • テロップには日本語の異体字や絵文字も流せる。
  • 複数のエフェクトの組み合わせを保存し、呼び出したり、切り替えられる。設定ファイルをクラウドに保存しておけば(システム内部に保存される形式ではない)、複数のマシンで利用できる。
  • 簡易スイッチャー的な使い方も可能(ただし間で数秒ブラックアウトが入る)。
  • 現行のApple Silicon MacとmacOS Ventura 13でも、XQuartzをインストールすることで動作する!
  • 無料!フリー!タダ!

CamTwistのココはイマイチだったり要注意…

素晴らしい機能を持っているにもかかわらず、すでに開発やサポートが終了しているのが、本当に残念です。誰か、開発を引き継いで移植してくれないものか…有料アプリでも、妥当な価格なら即買いします!

  • macOS専用。当然、Windows版やiPhone/iPadアプリなし。
  • 開発とサポートがすでに2017年で終了している :'( 熱い要望にも関わらず再開もなし…いくつかのモジュールが動作しない。特に、TwitterのタイムラインやRSSフィードを取得できなくなっているのがあまりにも残念。
  • クロマキー機能はあるものの、mmhmmのような、被写体を自動的に認識していい感じにブルーバックを抜いてくれるような最新機能はない。
  • 使い方の解説やヒントになる情報が少ない。ずっと勧めてる私以外の!
  • CamTwistに限らず仮想カメラは、macOSのセキュリティーのため、FaceTimeやSafari、Microsoft Teamsアプリケーションでは使えない。

CamTwistのオススメ機能

いくつもある機能のうち、オススメのものをいくつか紹介します。

特定のアプリケーションのウインドウだけ共有可能

敢えて先に、派手目なカメラエフェクトを紹介しましたが、実際の会議で役立つのは、相手の顔をずっと映しておくよりも、資料の共有ですよね。チャットでリンクを送信しながら、Webサイトを表示したり、ホワイトボードを映したり、プレゼンデータを再生したり。

CamTwistでは、一般的なビデオ会議サービス同様に、どのウインドウを共有するかアプリケーションごとに指定できるのが便利です。例えばWebブラウザーのウインドウだけをシェアすれば、うっかり他の情報まで映ってしまうこともなし。もちろん、ウインドウをドラッグやリサイズしても、前面に他のウインドウが重なっても影響せず、しかもマルチモニターにまで対応した優れもの!

アプリケーションのウインドウだけを共有
任意のアプリケーションのウインドウを共有できる「Desktop+」。

ビデオの上にグリグリ描けるテレストレーター

テレビのスポーツ中継などで目にする、ビデオ映像に直接矢印を書き込んだりする機能は、放送用語で「テレストレーター(telestrator)」と呼ばれます。CamTwistでも、カラーや太さを調整して、マーカーのようにマウスでグリグリ書けます。つまり、ポインター代わりにもなるわけ。ちなみにテキストは、別のエフェクトで入力できます。

テレストレーター
ビデオ上に図形を描けるテレストレーター。