正直、このスマートプロジェクターを紹介するのはかなり複雑で、悔しいんです…
というのも、クラウドファンディングIndiegogoのプロジェクトで、予定を大幅に上回る約1年半という長い時間を待たされて、やっと届いた製品だからです。Facebookには、激怒する出資者のグループページがあるほどで、私もたまに毒吐いてましたもんw しかし届いてみれば、製品としては満足できる仕上がり…かなり複雑な心境なことは確かです。
Piqoプロジェクターはこんな製品
- 240インチ、200ルーメンの小型プロジェクター。解像度:w 1920 x h 1080 px、最大投影距離:6m(標準では3〜4m程度を推奨)。
- サイズ:w 58 x h 58 x d 58 mm、重さ:210gとコンパクト(ケーブル類を除く)。
- Android搭載で、スマホやタブレットのような操作感。ChromeやYouTube、Netflixはインストール済み。他にも、Google Playストアからアプリを追加可能。
- 上部がタッチパネル。タップやスワイプで操作。
- バッテリー内蔵で、音楽は50時間、ビデオは5時間再生可能。高速チャージで、15分充電で1時間のビデオ再生。
- ハイファイスピーカー内蔵、イヤフォンジャックも装備。
- ミニHDMIとUSB、Wi-Fi、Bluetoothをサポート。
- ストレージ内蔵(容量は未確認)。
- Windows/macOS/Android/iOS対応。
- 2019年1月当時、Indiegogoのプロジェクトで$379.00(日本への送料込み、当時のレートで約41,500円)。今はメーカー直販ありで、全世界送料込み。
パッケージは、そこそこちゃんとした様子で、うっかり高級感も感じるほど。付属品は、DC 5Vの電源アダプターとUSBケーブル、リモコン(単4×2本、未付属)、マニュアル(英語のみ)と、至ってシンプルです。
筐体は、表面がマットな仕上がりで、ちゃちなプラスチック感はありません。GoProよりもコンパクトデジカメのような質感。重さも適度で、モバイルバッテリーぐらい。大きさと重さで、コンビニのおにぎり2個分といったところでしょうか。サイコロ状なので、鞄に入れて持ち歩く時の位置にちょっと困りそう。本体を傷つけないポーチが欲しくなります。
設定もカンタン。電源を接続し、スイッチをONにしてしばらく待つと、ホーム画面が投影されるので、AndroidやiPhoneのように、Wi-FiやBluetooth、日時、言語(日本語あり)などを設定するだけです。
上部はタッチパネルで、スワイプやスクロールの反応もそれなり。正直、テレビにネットワークの設定をするより遙かに楽です。
本体左側には、ダイヤル式のフォーカス。空気穴は左右にスリット。右側には、電源ボタンと外部ディスプレイのHDMIポート、LEDインジケーター。そして背面には、リモコン用赤外線センサー、イヤフォンジャック、USBポート、電源ポートがあります。
後は、ケーブルか無線で映像のソースを選べば投影準備完了。
悔しいけどPiqoプロジェクターのココがイイ!
- 部屋を暗くすることなく、そこそこ明るい室内でも視認性は十分な明るさ。
- プロジェクターの機能を持ったAndroidデバイスといった方がいいか。Webアクセスやアプリの追加など、操作は楽。
- AirPlay対応で、macOSやiOSからもミラーリングOK。
- 本体はそれなりに温かくはなるが、持てないほど高温になったりしない。スイッチをオフにした後の、クーリング時間も不要。
- キーストーン(投影する映像の台形調整)は、自動的判定とマニュアルの両方が可能。反転表示(裏返し)も可能。
- 本体にセンサーが入っていて、本体を上下逆さにしても映像は正しく映る。
Piqoプロジェクターのココはいまいち…
- 静かな室内だと、ファンの音がちょっと気になる。
- AirPlayで映し出す映像のレイテンシーが遅く、15fpsぐらい。全然、スムーズではない。静止画のスライドショーを再生するのはまだしも、動画を見たり、何か操作するような使い方は向かない。
- 例えばMacBookから有線でアウトさせるとき、USB-CからミニHDMI(タイプC、ややこしい!)に直接変換できるケーブルがない。仕方なく、MacBook Pro→ハブ→フルHDMI→ミニHDMI→Piqoで接続するしかなく、折角本体がコンパクトでも、接続が不格好。
- 電源はmicro USBにして欲しかったし、USBポートはUSB-Cにして欲しかった(今後の競合製品はそうなるはず)。
- 底面に三脚穴はないので、セッティングの高さや角度を設定するには、スマホ用のアダプターやGoPro互換マウントなどを併用したり、工夫が必要。
- システムの言語設定を日本語にしても、例えばYouTubeでは日本語で検索できない(キーボードの入力変換メニューに日本語が表示されない)。Androidなんだから、音声入力サポートして欲しかった気も…
- 薄暗い中でトップのタッチパネルを触っているうちに、音量が変わってしまうことも。
Piqoプロジェクターはこんな人に渋々オススメ
- コンパクトで高画質なプロジェクターを使いたい。
- パソコン要らずで、スマホの資料をサクッと映したい。
- 小〜中規模なビジネスプレゼンに使いたい。
- 家庭で手軽に、大画面で映像を見たい。
- 出先でワイヤレスで使いたい。
- 小規模なイベント展示やプロジェクションマッピングに使いたい。
- プロジェクターが常設でなくていい・常設じゃない方がいい。
充電した後、Bluetoothスピーカーを接続し、iPhoneの写真やビデオ、Keynoteプレゼンファイルなどを試してみました。もうこれだけで、お手軽ワイヤレスプレゼンできます。ちぇっ、いいじゃないか。
また、寝転がって天井にも投影してみました。流石に距離が遠すぎて映像はややぼやけますが、全然見られないことはありません。何だか、映画『ニューシネマパラダイス』のワンシーンを思い出しました。いかん、魅了されかかってる…
しつこいですが、Indiegogoでは、とにかく待たされました!何度も発送が延期され、その間にも、他のクラウドファンディングサービスでプロジェクトが始まるなど、完全に自転車操業状態。出資額の回収も諦めていましたが、届いてみたら意外やこれが高性能。発送完了の連絡も、商品が届いた半日後と、相変わらずのグダグダですが…。
価格と機能のバランスは優れていると思います。メーカー直販が始まったので、やっと製造・供給体制が整ったということなんでしょうか。日本国内でも、代理店が販売をスタートさせるなら、選択肢としてありかも。というか、今、買えるんだったら素直に満足できていたのに!
ちなみにこれは似た名前の別商品ですが、これ系のプロジェクターはいろいろラインナップが充実していますね。
アダプターやケーブルも別購入したので、後日、有線接続と内部のストレージを試してレポートします。