
オンラインのプレゼンテーションやセミナーが増えたとはいえ、人前で説明しなければならない機会はあるものです。そんなとき、わざわざプレゼン専用のリモコンを使わなくても、スマートフォンをパソコンのワイヤレスマウスにできるMobile Mouseが便利です。つまり、PowerPointやGoogleスライド、SafariやChromeでも、離れた場所から操作できるんですね。macOS/Windows/iOS/Androidで、OSを選ばず幅広く使えるのも嬉しいところです。
そもそも、プレゼンでリモコンを使うと何がいい?
パソコンだけでプレゼンするよりも、リモコンを使うことで、より効果的な説明が可能になります。
- スライドの再生タイミングを自分の手元でコントロールできるので、スライド主体ではなく自分主体で、自分のペースで説明を進められ、ボディーランゲージと併用できる。
- 常にデスクトップや演台の前に張り付いる必要がないので、ある程度の距離ならステージを動いて聴衆を惹きつけることができる。
- 視線をキーボードやマウスに落とす必要がなく、聴衆とアイコンタクトの時間を多く確保できる。
- 机に座った状態でも、パソコンの画面を相手が見やすい位置と角度に設置して遠隔操作できる。
Mobile Mouseって何?
- iPhoneやAndroidスマートフォンを、MacやWindowsのワイヤレスマウスにするツール。
- デスクトップとモバイルそれぞれのデバイスにアプリをインストールし、同じWi-Fiに接続するだけ。スクロールの感度やクリック音の再生、左利き用など、細かい設定も可能。
- Macの場合、 MacBook Air/ProやiMac、Mac miniなど何でもOK。M1 Macでも、Intel Macでも動作する。
Mobile Mouseを使うと幸せになれる人
- わざわざプレゼンリモコンやレーザーポインターを使わない・使うほどではないビジネスユーザー。
- 現場の対面で、人に何か見せながら説明する必要がある社会人。教育や医療関係者なども。
- いちいち会社にリモコンを取りになんて行きたくない、ソーシャルディスタンスの警戒者。
- Macで、Keynote以外でも、ライブでプレゼンする機会がある社会人や学生。
- PowerPointファイルをKeynoteに変換して、改行やレイアウト崩れで痛い目に遭ったことがあるMacユーザー。
特に、Keynote以外でプレゼンするMacユーザーにもオススメ
Macでプレゼンするとき、Keynoteなら、iOS版Keynoteアプリがそのままリモコンになります(以前、Keynote Remotoという単独アプリでしたが、本体に吸収されてしまいました)。いちいち、ファイルをiCloudで同期したりコピーしなくてもそのまま、Mac上のKeynoteを操作できます。
ただ、多くの場合、PowerPointやPDFでプレゼンしなければならなかったり、SafariやChromeでGoogleスライドやSlideShareを使うこともあります。そんなときには、アプリケーションやサービスを選ばない、このMobile Mouseを組み合わせるのが便利なんです。
Mobile Mouseのココがいい!
- リモートデスクトップツールよりシンプル。
- ファイルを転送する必要がないので、プレゼンや、プレゼン以外にも便利。
- 接続さえできれば、細かい設定をしなくてもデフォルトのまま使える。位置のキャリブレーションなども必要なし。
- プレゼンリモコン代わりなら、モバイルアプリMobile Mouse Remoteは無料版でも十分使える。
- スマートフォンでMobile Mouse Remoteを起動していても、デスクトップ側のマウスやトラックパッドはそのまま使える。
- Mobile Mouseを複数のデスクトップにインストールして起動していても、どのデバイスと接続するかをスマートフォンのMobile Mouse Remote側で選択できる。
Mobile Mouseのココはイマイチだったり要注意…
- スマートフォンでMobile Mouse Remoteがフロントにある時にしか操作できないので、他のアプリに切り替えると、一時的にデスクトップ側のマウスポインターを操作できなくなってしまう。Mobile Mouse Remoteに戻せば、再接続の操作などは不要でそのまま繋がる。
- デスクトップの画面は横長なのに対して、スマートフォンは(縦持ちすれば)縦長で比率が異なるので、感覚的なズレがなくはない。
- Keynoteと違い、プレゼンの発言者ノートや次の画面が表示されない。
- 途中、Webサイトの閲覧や外部ビデオの表示、ビデオ会議参加者とのやり取り、アプリケーションのデモ、スマートフォンの操作などを挟むプレゼンでは、結局、デスクトップの前に行く必要がある。
- 本来のマウスやキーボードの一部の機能を代用するには、有料版のMobile Mouse Remote Proが必要。
Mobile Mouseの使い方
使い方はとてもシンプルですが、一応、説明しておきましょう。以下は、MacとiPhoneの例ですが、WindowsとAndroidでもほぼ同じような手順です。
- Mac用に、Mobile Mouse ServerをMac App Storeからダウンロードして、インストールする。メニューバーにアイコンが表示される。
- システム環境設定で、セキュリティー設定を許可する。
- メニューバーにMotion Mouseのアイコンが表示される。基本的には、Server Settingsで特にカスタマイズする必要はない。好みに応じて、Motion Mouseタブで、マウスポインターのスピードや加速を設定してもいい。
- 次に、iPhone用に、Mobile Mouse Remote (Free)をApp Storeからダウンロードする。
- こちらも特に設定することはなく、タップやスクロール、ピンチなどの基本操作を確認すればOK。同じWi-Fiに接続していて、MacのMobile Mouse Serverが認識されれば、Servers一覧に表示される。
Optionsで、操作の動きや制限の設定をカスタマイズするのもあり。
- iPhone上でタップしたりスクロールして、Macのマウスポインターの動作を確認する。
プレゼンリモコンとしてiPhoneはややデカいので…
Mobile Mouseは便利ですが、そもそもiPhoneは、プレゼンリモコンとしてはやや大きすぎるのは事実。手の小さな人(私)は取り回しに時々苦労するんです。特に、戻る[←]が二本指タップなので、iPhoneを片手で持ったまま操作するのは厳しいですが、そこだけ両手で操作すれば回避はできます。それでも、プレゼンにしか使えないリモコンをわざわざ買ったり管理するよりは楽です。
Mobile MouseはiPad版もありますが、さらにデバイスが大きい。かといってApple Watch版は画面が小さすぎるし、モーションだと誤動作しまくりだろうし…さてどうなんでしょう。
昔のiMacには、今のApple TVのリモコンよりずっと小さなスティック状の赤外線リモコンが付いていて、プレゼンやiTunesの操作にもとても便利だったんですけどね。ちなみに私の場合、ほぼこのためだけに4インチの初代iPhone SEを併用することもあります。中古で程度のいいiPod touchを入手するという手もありますよ。