ビデオ会議をアップデートしよう:オーディオ設定はここに注意

テレワークでビデオ会議、オンラインイベントの機会が増えて、そろそろ4ヵ月ぐらいでしょうか。慣れてきましたか?実は、仕事でパソコンを使っているとはいっても、ビデオ/オーディオのことをほとんど何も知らない人が結構います。

カメラの話に続いて今回は、オーディオの話。ちょっとしたところに注意するだけで、ストレスを解消できたり、トラブルのリスクも減らせます。どれも、慣れてしまえば楽勝!

スマホ付属のイヤフォンマイクは実は結構優秀!

皆さんも経験ありませんか?リモート会議というと、多くの人がカメラ映りばかり気にしがちですが、実は、ビデオがしょぼいことよりも、オーディオがスムーズでなかったり、ノイズが混じる方が、相当ストレスが溜まります。相手が、普段から一緒に仕事をしてよく知っているチームのメンバーだったり、回線速度やデバイスのマシンスペックの都合で考えれば、別にビデオは必須ではありません。

オーディオで重要なのは、相手に自分の発言を確実に届け、相手の声もしっかり聞くこと。そのためのデバイスとして、実は、スマホ付属のイヤフォンマイクは優秀なんです。個人的には、レイテンシー(遅延)やバッテリー、音質の点から、Bluetoothタイプより有線の方がオススメ。ただし、Lightningタイプは、パソコンには直接挿せないので要注意です。

  • わざわざ新しく買わなくていい。人によっては、複数所有している。いい機種なら、ノイズキャンセリング機能付きだったり。
  • マイクの位置が、自分の声を拾うのに最適。ヘッドフォンのように耳を完全に覆わないので、適度に外部の音も拾う。
  • ヘッドセットほど、見た目が仰々しくない。
  • 自分のデバイスから出る相手の声をマイクで拾って、音声が輻輳してしまうことがない。
  • 会議中なら、デバイスの前から離れる必要がないので、有線でOK。
  • 身近で入手しやすいので、緊急時にはコンビニで買ったり、家族や同僚が持っているものを借りられる(人によっては、相当、嫌がられますけど…)。
  • セキュリティー面でも安心(後述)。

オーバーヘッドタイプのヘッドフォンも悪くないんですが、長時間耳を覆っていると、どうしても蒸れるんですよね。重さもイヤフォンマイクよりはあるので、首や肩への負担も若干プラスかも。

オーディオプラグには種類があることを確認しておこう!

実は、プラグの種類を意識したのはごく最近…偉そうに書きますが、それまでは、たまたま何もしなくても使えていたり、他の人がケアしてくれていただけです。『Bluetoothで使うから、プラグなんて関係ない』と思わずにチェック。

ステレオミニプラグの種類には、5極/4極/3極/2極があります。このうち、身近にあるのが4極と3極。ちなみにこの「極」というのは、L(左)、R(右)、マイクと音量、接地(グラウンド)などの電極の区分けで、絶縁リングでそれぞれ分割されています。例えば、4極のプラグは、絶縁リングが3本入っていて4箇所に分かれているので、すぐ見分けが付きます。

一般には、4極対応のミニジャックには、2極/3極/4極のミニプラグが挿せます(いわゆる上位互換)。Appleデバイスのミニジャック(MacBookやiMac、少し世代の古いiPhoneやiPad)は4極に対応しているので、4極タイプの製品が挿せますが、3極タイプの製品でも上手く反応しないことがあります。さらに、Appleデバイス側の機種や発売時期、接続するイヤフォンマイク側の仕様によって、条件も変わるので要注意。

そんな時は、3極→4極の変換アダプターを間に使えばOK。この変換アダプターは、念のため周辺機器やケーブルと一緒に入れておくと、いざという時に慌てずに済みます。なお、マイクとイヤフォンを分岐させるタイプのアダプターは、マイクを接続したら、イヤフォンも接続が必要。イヤフォンだけ使わず、オーディオをスピーカーから出したりはできません。

接続できたら、必ずテストも忘れずに。一度、自分で録音して再生してみるのもいいですが、会議の前に他の人にチェックしてもらうのが確実です。

デバイス内蔵スピーカーもできれば併用

もし、あまりにも頻繁にWebミーティングがあったり、オンラインのイベントに出席する機会があるようなら、有線/無線に限らず、耳に異物を詰めなければならない時間は、できる限り減らした方がいいですよ。

東洋医学では、耳には人体のツボの多くが集中するとも聞きますし、実は気がつかないうちに体調不良となって表れます。いや、冗談抜きで(経験者として談)!ましてこれから、梅雨明けすぐに猛暑の夏でも始まったら、エアコンと運動不足で体調管理も難しくなる時期。

ある程度静かな、できればドアを閉じられる部屋で(バスルームは、エコーと換気が辛い)、パソコン内蔵のスピーカーを使うとか、ネック式のスピーカーを使うなど、体調と相談しながら使い分けるのがベストでしょう。

オーディオ周りのセキュリティーにも注意

窓ガラスや電球の振動から室内の会話を解析する、スパイ映画のようなテクノロジーもある現代。見落としがちで重要なポイントが、リモートでのオーディオ面のセキュリティーです。

ミーティングで、パソコンの内蔵スピーカーや、スマホのスピーカーフォンを使う時には、会話が周囲にダダ漏れの状態にあることを忘れずに。家に居るからとはいえ(家だからこそ)、油断は禁物。耳や頭が痛くなければ、できるだけイヤフォンマイクを使いましょう。

また、Amazon AlexaやGoogle Homeなど、スマートスピーカーは便利なんですが、盗聴問題も度々警告されてきました。今はメーカーや製品も増えていますが、セキュリティー面の懸念は消えません。会議中だけでも、電源から完全にオフにしておくのがオススメ。

もちろん、より高度な音声コントロールができるスマホの方が遙かに要注意。『会議中に他者のSiriを呼び出して、住所録や検索履歴を出してみる』ことなどを想像すれば…どれだけ恐怖か十分にわかり過ぎますよね。手元にあればつい触ってしまったり、リマインダーが鳴りますから、会議中はせめてスマホは機内モードにしておくのがいいかもしれません。

ノイズキャンセリングはソフトウェアでできる!

セキュリティーといえば、周囲の環境音が邪魔だったり、あんまり聞かれたくなかったりしますよね?ドアの開閉や子供の声、洗濯機の音、通りのノイズ、キータッチの音など、実はビデオ映像がなくても、音だけでかなりの情報がわかるものです。

そんな時は、コレをちょっと試してみませんか?驚くこと間違いなし!バックグラウンドノイズをリアルタイムで自動マスキングしてくれるソフトウェアなんです。邪魔な音を抑えて、リモート会議の音声だけをクリアに残してくれる優れもの。このテクノロジーで、ここまで差が出るとは思わなんだ!【招待リンクあり】


ビデオ会議をし始めたのがここ最近だという組織では、自分デバイスのビデオやオーディオを詳しく理解していない人も多いでしょう。また、頻繁にリモート会議をしていたような組織でも、情報システム部が管理していた設備を使っていることがほとんどで、自分の端末のビデオやオーディオはほとんど使う機会がなかった人もいるはずです。

対面で得られるほどの情報の密度はなくても、何とか工夫しながら、今使えるビデオやオーディオを使っていきましょう。