ビデオ会議をアップデートしよう:ライトを正しく意識

lightとrightの話をする、とかそういうのはいいですかね?はい。ビデオ会議のアップデート、今回はライトについて考えてみましょう。

今後を考えると、いろいろ暗く深刻になりがちなご時世。気分だけでも明るくするには、カメラやオーディオ同様にライティングも重要です。実は、こういうささやかな高揚感ってバカにできないんですよ。決して「盛る」必要はなく、むしろ「わざわざ悪く見せない」ための工夫です。光にもちょっとだけ気を配って、可能な範囲で調整すればOK。

ライトの光量と角度を調整しよう

会議の相手で、部屋のシーリングライトを背負って後光が差しているのに、逆光で顔が暗い人っていますよねw人物の顔に当たる光が足りないだけで、暗い表情に見られます。テレビ番組の収録で、照明さんがガンガンライトを焚いているのは、人物の顔がハッキリと映えるように。伝統芸能の白塗りなんかもそうですし、映画や絵画でも、光の当たり方で生まれる印影が、登場人物を立体的に際立たせます。

VOGUE JAPANのチャンネルで紹介されていた、映画のライティングの話もぜひ見てみてください。

映画のような壮大な話でなくても、家からリモート会議に参加する時、キッチンやリビング、仕事スペースのライトなど、それぞれの場所に応じて、表情がより明るく相手に伝わるだけで、雰囲気がグッと変わります。Webカメラのレンズは一眼レフほど明るくはないので、ソフトウェアで処理するより、顔にきちんと光を当てる方がキレイに見えます。

メインのライトは正面やや上から当てる

時々、部屋のシーリングライトだけを使っているので、自分の影が顔に全部掛かっている上に、ノートブックから煽る光で、横溝正史シリーズの表紙絵みたいになってる人もいるじゃないですかw カメラをできるだけ視線の高さにまで上げるのと同様、自分の顔には正面ちょっと上からライトが当たるようにしましょう。角度と高さが変えられるライトはベスト。製品によっては、スマホを充電できたり、防災でも役立ちます。

また、できれば、光源は複数使いたいところ。手持ちのデスクライトでもいいので、部屋の環境照明とは別の光源で、顔にライトを当てると、表情がよりハッキリわかって華やぎます。昼間でもONに。

光源が目に入って眩しい時は、光を和らげた方がいいでしょう。特にメガネを掛けていると、レンズに光が反射して、相手から見て変な光線が出ているwようになることもあります。撮影用でディフューザーと呼ばれる、光を和らげる専用の機材がありますが、そこまで凝らなくても大丈夫。薄いティッシュやポリ袋などを光源に被せることで、光を分散させられます。道路工事でもよく使われている、バルーンのような状態ですね。

ただ、毎回セッティングはちょっと面倒(レジ袋も有料化されたし)。代わりに、充電式で移動でき、角度も自由に変えられるデスクライトや、ノートブックの天板の角に留められる簡易ライトが便利です。また、ちょっと本格的な、リング型のスタンドライト—「女優ライト」なんて名前で売られていたりしますがw、これも結構リーズナブル。メイクの時や、フリマやオークションで何かを売る時などにも役立ちそうです。

昼間なら明るい窓際を使う手も

会議が開催される時間が、部屋の中に十分な光が入る日中なら、窓際を会議スペースにしておくのもいい方法です。外の音がそこまでうるさくなかったり、お隣との距離さえ許せば、狭くてもベランダに出られるなら、ちょっとした気分転換にもいいかも。

ただし、これから夏本番なので暑さと紫外線、虫対策次第。キャンプで耐性(?)が付いているなら、小さい折りたたみ椅子もいいですよ。ただ、背もたれ付きでも長時間は辛いので、長くても30分ぐらいでサッと切り上げ。もしくは、会議ではなくて、飲んだり食べたりしながらの交流会ならいいかも。実際、屋上に子供用プールを置いて、リゾート化(!)にチャレンジしてた人もいました。

そうそう、紫外線って結構強いんで、椅子は外に出しっぱなしだと劣化も早いので注意。座った瞬間に座面が破れて、マンガのようにひっくり返ったことがあります… 🙁

窓を背にすると逆光で表情が潰れるので逆効果(屋外の風景が映り込んで場所が特定されるリスクにも注意!)。また、窓側を向くということは、必然的に後ろが部屋の中なので、どこまでキレイに片付けられるかという、非常に切実な課題も…。背景パネルが売れている事情もわかりますね。この話も、またの機会に。

レフ板やライト代わりになるモノを使う

これもちょっとした工夫ですが、手鏡や大きな白い紙など、レフ板(光を反射させる板状のもの)代わりに使えそうなものを用意しておくのもいいアイデアです。LEDの光も、反射させることで表情をより明るく際立たせられます。A4かA3ぐらいの大きさがあれば十分で、折りたたみ式だと場所も取りません。急場凌ぎなら、段ボールにアルミホイルをテープで貼った簡易レフ版もオススメ。

モニターを最大輝度で表示させ、真っ白なウインドウを表示させておけば、かなりパワフルなライトになります。macOSの写真撮影ユーティリティーPhoto Boothは、撮影される瞬間に画面全体が一瞬真っ白になって、光源の代わりをしますが、あれも同じ原理。会議自体はスマホで進めて、パソコン画面をライトに使う手もありますし、マルチディスプレイを使っているなら、一つはライト用に使えますね。


以前に紹介した、カメラやオーディオのTipsもそうですが、私も毎回必ずやっているわけではなく、その時々で組み合わせたり、常に工夫しています。家や職場で常設スタジオスペースを確保するって、あまり現実的ではないですよね。

重要なのは目的と効果です。チームでミーティングするときなら、いちいち凝る必要はありません。議事録を取って共有したり、すぐにプロジェクト管理に反映すればいいので、そこまで気にすることもないでしょう。ただ、取引先や初対面の人が相手だとか取材なら、疲れた表情は晒したくないですよね。声もしっかり届けたいところです。さらにこれが、社外向けのセミナーなどで一定期間アーカイブを残すなら、進行管理や機材、操作や設定方法も含めて、しっかり準備する必要があります。

テレワークが継続するしないに関わらず、これからしばらくは、直接対面以外の方法での意思疎通が非常に重要なことは間違いありません。できることをやって、変化に対応していきましょう。