
幸い、私じゃありませんけどねw たまたま耳にした、知り合いの関係先での話。もちろん、私のこの記事なんて知らない人の。
その会社は、とある地方のインフラ系中堅企業。コロナ禍以前は、部署単位や全社規模の飲み会が不定期にあったり、休日の企業イベントに半強制で参加させられたり(非業務扱い!)、かなり古い昭和体質のところらしいんです。
で、上司曰く、『書類にはちゃんと、ハンコを使え!手抜きをするな!』なんだそうなw いやはや、Excelのマクロを使っても怒る系の人なんでしょうかね…。御社の場合はどうですか?
始める前に相談してはダメなこともある!
なぜ、PDFにハンコを入れるのにAcrobatの機能を使って効率化しようとしているのに、こういう事態になってしまっているのか!?
外野から見た問題はただ一つ、『いちいち上司に相談するから』ですよ!そんなの、黙ってしれーっとやってしまえばいいんです。冗談や煽りではなく。
わざわざ印刷した紙に印鑑を押して、それをスキャンしたPDFと、直接、Acrobatで印影を入れたPDF。もし、提出してその両者の違いがわからないんだったら、つまり元々、ハンコのルールなんて形骸化してただけのこと。仮に運悪くバレて怒られるなら、それから考えればいいんです。
でも、怒られたからって、諦めて元通りのくだらない非効率な方法に戻るのがいいのか?なぜ紙と印影でなければならないのか?これはワークフローやビジネスマインド、企業文化の問題です。
ただ、Acrobatの機能と使い方に難癖をつけてくる程度の上司は、そこだけに留まらない、日頃からのネガティブなファクターなはず。正面からバチバチやって無駄に消耗するのも愚策かも…だったらここは、したたかに準備をやっておきましょう。
導入のための環境づくり
とにかく、人という最大のリスク管理はしっかり。オヂサンの嫉妬ほど根深いものもありませんから。変なやっかみや恨みを買わないように、ある程度の決定権を持つ人たちにネゴっておいたり、周囲をそれとなく固めて既成事実化しておくのが有効。
もし、若い女子社員のいうことなら比較的聞くようなら、自分は裏で絵を描くだけで、フロントには彼女を立たせる狡猾な作戦もアリ。意識・無意識の差別やジェンダー意識を逆利用。使える武器は何だって使いましょう。
もちろん、技術面の使い方や制限、セキュリティーにも注意は必須です。
- ツールや環境を揃える(下期の予算の中で何とかなるか?)。
- オープンな勉強会を月一ぐらいで開催する。
- ツールの使い方を説明した資料を用意し、学習機会(こっそり失敗できるゆとり)を設ける。
- 業務にプラスになるエビデンスを揃える(でも、相手を殴るために使わない!)。
- 味方を増やす(同じ部署とは限らない)。
- 影響力がある人物を押さえる(上司とは限らない)。
- 法務や契約部署などに聞いて、明らかにダメな例を押さえておく。
説得のシナリオ例
Acrobatのスタンプ機能を現場に導入するための、ストーリーもあると心強いですよ。というか、味方を増やすのに必須。とにかく、正論や技術論、カタカナで追い詰めないことに注意。
- 新型コロナウイルスの影響で、非効率な方法に拘り続けるのはリスク。
- 役所も印鑑廃止の方向にシフトしている(権力は効く!)。
- とはいえ、いきなり廃止するには各所の調整が手間だが、せめて今の条件で効率化しては。
- 幸い、ツールはもうある。ライセンスも安い。一部の部署からでも導入してテスト。法務や契約に、NGな例は確認済み。
- 使い方は勉強会や資料でサポート。
- 柔軟な働き方へのシフトの一環で考えれば、これはチャンス!具体的な改革に着手した得点にもなる!
前例はあるのか?他社はどうしているのか?取引先が納得するか?法的な効力は?
思考停止している人は、やれる工夫より、やらない理由を並べます。その理由は、責任を取りたくないから。新しい方法を覚えたくないから。失敗して恥をかきたくないから。やらないためなら、何だってやる!w あ゛ーっ、面倒臭いっ!
上司の方も、目的と時間、コストが合っていれば、手法については新しい方法を認めたり、正式には認めないまでも(上に対しては)知らない・気づかないふりをして様子を見るぐらいの、大局観が欲しいもの。
でも、組織って結局、人と人の関係ですからね。ここは一つ賢く立ち回りましょうよ。真面目な人、丁寧な人ほど、話が通りそうにないところへ話を持っていって、やぶ蛇に自分から進んでいってしまうもの。無駄な作業に振り回されてストレスを溜めないように、藪の中をしたたかにサバイブして生き残りましょう!