Adobe Acrobatを使っていなくても、Webブラウザーのウインドウにドキュメントをドラッグ&ドロップするだけでPDFに変換できるショートカット、というかURLがあります。つまり、AcrobatなしでもAcrobatと(ほぼ)同じことができるんです。
それは、Webブラウザーで PDF.new にアクセスするだけ。
この機能は、2020年の8月頃から提供が開始されたので、そろそろ半年です。私自身が使うというより、リモートワークが増えたこの1年、あまりAcrobatに詳しくないユーザーに使ってもらうことが増えました。このショートカットを使えば、PDFを変換する以外にも、編集したり、ファイルサイズを最適化したり、署名を加えたりが可能。とても便利なので、改めて紹介しておきます。
AcrobatのURLショートカットで、PDFに変換できるフォーマット
普段、ビジネスで使うドキュメントなら、ほぼ全部OKといったところ。残念ながら、MacのOffice互換アプリケーションPages/Numbers/Keynoteには対応していません。
docx/doc/xlsx/xls/pptx/ppt/txt/rtf/jpg/png/tiff/bmp/ai/indd/psd
AcrobatのURLショートカットでPDFを扱う、ココがいい!
- デスクトップWebブラウザーだけで完結する。Acrobatアプリケーションやプラグイン、ユーティリティーは不要。
- OSやWebブラウザーの種類に依存しない。macOSのSafariでも、WindowsのMicrosoft EdgeでもOK。ネット接続は必須。
- Acrobat DCと(ほぼ)同等の機能が使える。
- しかも、無料!一部の機能は、ログインしなくても使える。ただし、無料のAdobeアカウントを持っていた方が便利だったり、Adobeユーザー向けのプレミアム機能あり。
- Webブラウザーだけで済むので、別に起動するアプリケーションやユーティリティーでメモリを喰わない。
- 信頼性が疑わしいサードパーティーのサイトやユーティリティーを使わずに、Adobeのサイトで完結する。
- Microsoft 365(Office)にも、余計なアドオンやプラグインを追加しなくていい!
- 『Acrobatはインストールしているが、使い方をよくわかっていない』ユーザーへの教育コストが削減できる(かも)。
AcrobatのURLショートカットでPDFを扱う、ココは要注意
- アップロードして処理されるため、セキュリティー上のリスクがゼロではない。
- それぞれのショートカットが使えるのは、1日1回。
- 文字列がURLだと認識されないので、Webサイトのリンクとして共有できない(この記事でも、リンクが生きた状態で入れられない!)。文字列のドラッグ&ドロップでも、Webブラウザーは反応しない。また、はてなブックマークのようなソーシャルブックマークサービスには、有効なURLとして保存できない。
- ファイルサイズの大きなPDFを扱う場合、通信パケットは喰うかも。
- 画像は、heicやwebpフォーマットに非対応。
- 一部の機能は、画面UIが英語で表示される。
- モバイルOSではエラーになる(アプリがありますし)。
- 組織によっては、URLの制限でアクセスできない可能性あり。
- Acrobat DCユーザーには、特にメリットはない。
AcrobatのURLショートカットPDF.newの使い方
使い方といっても、特に説明するまでもないんですけどね。
- Webブラウザーで以下へアクセスする(URLはリダイレクトされる)。
PDF.new
- Adobe IDを持っていればログイン、無ければ登録がオススメ。なければないで、そのままでもOK(機能制限あり)。
- ウインドウに、PDFに変換したいドキュメントをドラッグ&ドロップする。
- 変換されたPDFは、Adobe IDでログインしていれば、Adobeのサーバーに保存も可能。なければダウンロードする。
その他の、AcrobatのURLショートカット
ショートカットは、他にもいくつか用意されています。
Sign.new
マウスで手書きししてPDFに署名できます。電子署名や、印鑑代わりのスタンプについてはこちらの記事も読んでみてください。
JPGtoPDF.new
JPGからPDFへの変換も、このURLで楽々。URLはJPGになっていますが、変換できるのは他にもpngやbmp、gif、tiffなどの画像ファイル全般です。ただ、PDF.newでも変換できますし、別にこっちだと画像の圧縮率などを細かく設定できるとかでもないので、使い分けは不明。
CompressPDF.new
ファイルサイズの大きなPDFを最適化できます。Acrobatに不慣れなユーザーに、特に使ってもらいたいのはコレかも!この処理をする・しないでファイルサイズが大きく変わるので、高品質な印刷が必要なく、画面上で確認できればOKな場合に便利です。
Create.new
これだけは、他とちょっと違って、AcrobatではなくAdobe Sparkの機能です。
Adobe Sparkは、主にソーシャルネットワーク用のグラフィックスやショートビデオを手軽に作れるアプリ。登録済みの(ちょっとバタ臭い)テンプレートを選んで、写真や文字、アイコン、ステッカーを重ねたり、パーツを自分で手軽に編集できて、そのままシェアできます。Adobe XDとAdobe Stock、Adobe Premiere Rush全部入りの、コンパクトなツール、といえば何となくイメージできますかね?
これは、Adobe IDでのログインが必須です。機能もいろいろあるので、詳しくはまた改めて。
この PDF.new は知っておくと便利です。機能やセキュリティー、広告表示で使い勝手がいまいちなサードパーティーのサイトやユーティリティーよりも、安心だし機能も十分。とはいえ、できればAcrobatと組み合わせて使うのがオススメです。