初代iPhone SEの国設定をフランスに変えてパフォーマンスは上がったか?

いつもiPhone関係の情報ソースの一つとしてお世話になっているiPhone Maniaさんの、先日の記事が目に入りました。「古いiPhoneの国または地域名の設定をフランスに変えただけで性能が向上する?」ですって!?C’est vrai? 🇫🇷

読んでしまった以上、そりゃ一応やりますよ、やりましたよ。でも、結果からいって、意味ありませんでした。パフォーマンスが上がるどころか、むしろ微妙に下がったし!ナゼ!?

そもそも、iPhoneやiOSの何が問題なわけ?

リンク先の記事でも触れられていますが、Appleは2018年に、iPhoneの旧モデルで本来出るはずのパフォーマンスを、iOSで技術的に抑制していたことが知られて、大問題になったことがありました。Appleの言い分としては、『充電サイクルを繰り返して劣化したバッテリーをできるだけ長持ちさせるために、必要な制御をしていただけ』という主張でした。

しかし、それを事前に明示されていない消費者側からは、『古いモデルを遅く感じさせ、新しいモデルへの買い換えを喚起するための狡猾な手段じゃないか!』としてフランスやアメリカで集団訴訟になったんです。そういった経緯もあって、『Appleに厳しいツッコミをした国として、言語や国をフランスに変えたらパフォーマンスが上がった!』という話が出てきたようです。

国設定をフランスに変えて、Geekbenchでチェック!

Geekbench 5
Geekbench 5

初代iPhone SEという古いモデルのiPhoneが手元にある私としても、やってみないわけにはいきません。都市伝説かどうかを確かめなければ。ということで、各種の記事で紹介されていたのと同じように、iPhone SEに、パフォーマンスチェック用のアプリGeekbench 5をインストールしてチェックしてみました。条件は以下の通り。

  • iOS 14.7.1(現時点の最新OS)
  • Geekbench以外のアプリを全て終了。バックグラウンドで通信もさせない。
  • 日本語とフランス語を切り替えるたびにiPhoneを再起動し、順番を入れ替えてそれぞれ2回ずつテスト。
  • 成績がいい結果を採用(2回に大きな差はなし)。

結局、iPhoneのパフォーマンスは上がらなかった!

結果は、以下のスクリーンショットの通りで、国や言語をフランス/フランス語に変えたからといって、パフォーマンスは上がりませんでした。それどころか、微妙に下がったほど!赤いアンダーラインで示した、より高いスコアはすべて日本語モードという結果でした。

想像するに、もし、システム環境設定の国や言語設定の影響を受ける可能性があるとしたら、単に古いモデルのiPhoneというより、古いモデルのiPhone+古いiOSの組み合わせに限る話なのかもしれません。ペナルティーを喰らった後のiOSなら、パフォーマンスのマネージメントはより公平に、賢くなっているでしょうし。また、バッテリーの充電サイクルによる劣化具合や、メーカーや型番、製造時期による違いなども、関係があるかもしれません。

ただ、これがなぜフランス語モードだとむしろパフォーマンスが下がったのか?という説明にはなっていないんですよね。とにかく私の環境ではプラスの成果は得られませんでした。安心するやら、ちょっとガッカリするやら… 🙁 結果はともかく、使うiPhoneがiPhone SEかどうかに限らず、最近のアプリはメモリとバッテリーを喰いがちなので、この結果は妥当だと受け止めておきましょうか。パフォーマンスが上がれば、その分、バッテリーだって早く消費するんだし。

ということで、引き続きいいモバイルバッテリーを常に装備しておきましょう。そうそう、バッテリーといえば、例えばどうしてもFacebookを使いたいなら、アプリはアンインストールしてWebブラウザーで使うのがオススメ!この辺りの話もいずれまた。