
Macのカレンダー.appを使えば、自分が指定した時間に任意のアプリケーションや書類を開けます。プログラミング要らずで簡単に登録できますし、カレンダーならではの、事前通知や繰り返し設定もできるので便利です。
Macには、AppleScriptやAutomatorという自動化(マクロ)プログラムもあります。わざわざそれらを使うほどでもない場合には、カレンダーを使う方法がとても手軽で便利です。特に、退屈な定型業務、ルーティーンワークのサポート役としてオススメ。
カレンダーでアプリを自動起動すると幸せになれる人

- 仕事のメインがMacの人
- 定期的なタスクを(半)自動化させたい、できるだけ手間を省きたい、忙しい現代人
- 別のユーティリティーやアプリケーションを使ったり、プログラミングするほどではない・セキュリティーや予算の関係上使えない・やりたくない人
- リマインダー機能がないサービスを使っているユーザー
- Excelのマクロを使っただけで『仕事をサボっている!』と不機嫌になるようなバカ上司がいる職場から、すぐにでも転職したいエブリバディー
カレンダーでアプリを自動起動すると、ココがイイ!
- macOS標準の機能だけで完結するので、追加コストやメモリの負荷がない。
- 操作も簡単で、覚えてしまえば楽。繰り返しも、カレンダーの機能がそのまま使える。
- カレンダーが起動されていなくても、Macがスリープしていても、バックアップで動作する。
カレンダーでアプリを自動起動するとき、ココは要注意…
- 登録したデバイスでしか実行されない(実行するデバイスを変更できない・選べない)。予定そのものは、iCloudで同期されるが、アプリケーションの起動は、そのデバイスに固有。どのアプリケーションを起動しようとしているかすら、別のMacやiPhone/iPadからは参照できない。変更すると、アプリケーションが実行されない設定で上書きされてしまう。
- 複雑な処理には向かない。エラーで実行されなかったときの回避処理ができない。
- アプリケーションの起動はできるが、終了はできない。
- スケジュール単位で、使う・使わないを、スイッチのように切り替えられない(過去の予定にして、必要な時には検索して内容を編集したり、アプリケーションの実行専用のカレンダーを作り、それをオン/オフすることなら可能)。
カレンダーでアプリを開く手順
- 任意のカレンダーで、スケジュール上をドラッグして「新規イベント」を登録する。アプリケーションの起動だけなので、時間は15分で構わない。イベントに名前をつける。
- 日時をクリックし、詳細を開く。「通知」>「カスタム」を選ぶ。
- 「サウンド付きメッセージ」を「ファイルを開く」に変更する(開くのがファイルではなく、アプリケーションの起動でも、この指定でOK)。
- 「カレンダー」を「その他…」に変更する。
- ダイアログボックスが表示されるので、開きたいアプリケーションを指定する。任意のURLを開きたければ、Webロケーションファイル.weblocを作っておき、そのファイルを指定する。
- リマインダーの通知時間を設定する。指定した予定ピッタリでよければ「イベントの開始時刻」に変更し、[OK]ボタンをクリックする。
- 必要に応じて「繰り返し」「繰り返し終了」などを設定する。
- 後は、時間になれば通知が表示され、アプリケーションが起動する。
- 変更する場合は、繰り返しが設定されていれば、通常のカレンダーイベントのようにアラートが表示される。
カレンダーでアプリを開く実例1:ルーティーンワークに
Macのカレンダーアプリケーションでスケジュールを設定して、任意のアプリケーションを実行するとどんな時に便利か、いくつか例を挙げてみます。
例えば、毎週月曜日の朝、任意のサイトを開いてレポートを確認する必要があれば、Webロケーションファイルを指定することで、自動表示できます。ブックマークに入れておいてクリックするのと大差なさそうですが、Webブラウザーが開いていようがいまいが、毎週決まった時間に必ずそのサイトを開いてフロントに表示するので、自然と(嫌でも)目に入るというわけです。
ただ、アカウントとパスワードを入力してログインする、オートパイロットのような機能はありません。アカウント情報をブラウザーに残すかどうかは、仕事での使い方次第。
カレンダーでアプリを開く実例2:ラジオ番組やライブビデオの自動録音
ラジオ番組やYouTube Liveなどの録画も可能です。ただし、ライセンスには十分ご注意を。
今でこそ、ラジオ番組がPodcastで配信されたり、聞き逃しでアーカイブが残ったり、YouTubeと同時配信されたりもしますが、数年前までは自分で録音するしかありませんでした。私の場合は、ずっと残すセルフアーカイブというより、聴取時間を自分の都合に合わせてずらすタイムシフトが主な目的。Podcastで配信される番組も、著作権の関係で曲やゲストの生演奏がスキップされていることが多く、一つのまとまった音声コンテンツとして、ちょっと残念なこともありました。
そこで、ラジオ番組が始まる少し前にラジオユーティリティーBRadikoを起動させ、続けてオーディオ録音ユーティリティーAudio Hijack(当時はAudio Hijack Pro)が起動するように、カレンダーを設定していました。Audio Hijack自体が、定期的な録音に最適なスケジューラー機能を持っているので、繰り返しの曜日や時間、ファイル名、フォーマット、終了後の処理などの細かい設定は、Audio Hijack側で登録していました。
ちなみに、Audio Hijackというのは、こんなレコーディングユーティリティーです。
また、出先で急に知ったイベントや忘れていたセミナーなどは、リモートデスクトップと組み合わせて、仮アーカイブすることもありました。これについてはまた後日。
カレンダーでアプリを開く実例3:メールの時間指定送信
Macのメール.appには、時間指定送信の機能がありません。別のユーティリティーやメーラーを使うこともできますが、これもカレンダーで実行できます。事前に、メールアドレスの登録や設定は確実に。
仕事が予定より早めに進んだ場合、そのまま成果物を共有すると、クライアントの要求を無駄に(?)刺激してしまい、予期せぬ方向へ進んでしまうことってありませんか?『時間があるんだったら、ココもこうしたい』とか、いわゆる蛇足というか迷走…。いやいや、何いってんですか!?時間は常にないんですよw…なかなかそうはいえないので、そのリスクがある場合は、適度なタイミングに設定してメール送信します。
同様に、深夜に書いた仕事のメールを、朝の時間帯に自動送信する時も便利です。相手のメールボックスの入るタイミングは、それなりに意識するのも有効。ただ、『夜中書いたラブレターは、翌朝、読み返して死にたくなるもの』という、定番の大きなリスクはあるのでw要注意。
コミュニケーション手段の一部が、メールからチャットにシフトしたり、プロジェクト管理サービスの利用が広がったこと、仕事の細分化・グローバル化などもあって、こういう使い方は限定的かもしれませんが、一応紹介。
近年では、RPA(Robotic Process Automation)と呼ばれる、簡単な自動化プログラムも人気です。退屈な定型業務こそ、できる範囲でどんどん自動化して、仕事のストレスを溜めないように、タスクを消化していきましょう。