
ユーティリティーやデスクトップアプリケーションに続いて、毎日お世話になっているWebサービス、つまりSaaS(ソフトウェアとしてのサービス Software as a Service)もいくつか紹介してみます。とはいえ、1ヶ月後には多分一部が入れ替わるような激動の世界ですし、10個に絞るなんて基本的に無理なのを何とか敢えて絞り出し!
オススメWebサービス 10選
リストは、以下のような条件で整理しています。
- 各項目は、利用頻度や重要性の高い順ですが、数字は単なるナンバリングなのであまり気にせず。
- カテゴリー分けもざっくり。アプリケーションとしてすでに紹介しているSaaSもありますし、一番iPhoneで使っているWebサービスは次回以降「iPhoneアプリ」で紹介するかもしれません。
- [P]マークは有料版(買い取りやサブスクリプション)で利用しています。
1.1Password:パスワード管理ユーティリティー [P]
1Passwordは長い間、『コレなしでは死んじゃうかもサービス』の常連で、ローカライズプロジェクトにも地味に参加し続けています。iPhoneなしで、東京都内のような複雑な場所をどう移動していたか思い出せないように、これなしでWebサービスを使っていた時代が記憶にありません。デスクトップアプリもiPhoneアプリもありますが、サービスとして問答無用で不可欠。
アカウントとパスワードを含む情報のセキュアな管理は、単にITの問題ではなく、現代のサバイバルの課題です。平文のテキストファイルで保存していたり、同じパスワードを使い回していて、ソーシャルメディアを呑気に使っているユーザーの多くが、自分が手にしているのがナイフで、無邪気に振り回していることに気付いていません。人類はそろそろ、アカウントとパスワードの管理から解放されるテクノロジーを手にしてもいいと思ってますが、それまではこういうサービスが重要です。ただ、パスワード管理のオープンソースソフトウェアBitwardenは要注目。そして何やら、Appleがパスワード管理の新しいシステムを模索中との噂も…。
2.Dropbox:クラウドストレージ [P]
使い始めてそろそろ10年…UIやセキュリティーなどいろいろ課題や不安があるので、正直、これをリストの上位に入れるのは迷うところですが、未だにクラウドサービスの筆頭なのは事実。Dropboxアカウントを持たない他者とのファイル共有もできるので、ファイル転送Webサービスは使う必要がないほど。
Dropbox上でドキュメントに直接注釈を付けたり、ミーティングしながらメモを書けるDropbox Paperには、ちょっと期待しているんですけどね。過去、Acrobatの注釈を使ったやり取りをどうしても使ってくれないクライアントが、Dropbox Paperで積極的に書き込みしてくれるようになったほどなので!ただ、コラボレーションサービスは他にも無数にあるので、なかなか決め手にはならないのが残念。
そうはいっても、ファイルの取り扱いについては何度も死にかけたので、ローカルのストレージと足並みを揃えつつ、Dropbox Plusとして使い続けています。ハードディスクを時々アップグレードしてTime Machineを活用しながら、Dropbox Plusの3年分有料プランを買うのが、結果的に一番リーズナブルです。
3.Things:タスク管理 [P]
仕事からプライベートまで、黙々とタスクをこなすためのGTDサービスです。今まで、いろいろなツールを渡り歩いてきましたが、Thingsに落ち着いてから数年が経っています。Mac/iPhone/iPad/Apple Watchと全方位をサポートしていて、WWDC17ではApple Design Awardを受賞。一部のプロジェクト管理サービスは、Thingsと連携できるのも強力です。私は使ってませんが、Siriやショートカットと連動させるのもよさそう。
なお、日用品の買い物リストなどは、macOSのリマインダー.app側に入れています(Thingsからも読み出し可能)。とはいえ、長い間放置されているタスクが目に入ると胃が痛い、『遊星からの物体X』…。Macのみ、トライアル版あり。
4.Weblio:英和/和英辞書 [P]
分からない英単語や慣用表現、新しいネット用語など、見つけたら片っ端からここに集約させています。そして、時々、フラッシュカードでセルフチェック。ただ、トランプ時代になってから『あまり使ってはいけない・できれば使わない方がいい』表現が増えている気がします。単語と用例がリンクしなかったり、全体のUIがちょっとイケてないのが残念。
5.Splashtop:リモートデスクトップ [P]
離れた場所にあるMacやWindowsをリモート操作するためのツールです。一般に、リモートでデバイスを操作できるようにすることは、セキュリティーリスクとのトレードオフ。Splashtopは、設定がシンプルなのにセキュア、高速で操作もスムーズなため、それまで使ってきたApple Remote DesktopやTimbuktu、TeamViewerから乗り替えました。主に、クライアントのマシンをリモートでメンテナンスしたり、Mac/Windowsの操作方法をトレーニングする時に使っています。また、クラウドに同期していないデータを参照する時にも利用します。
リモート操作はChromeでもできますが、Chromeユーザーではない場合を考えて、これを使っています。ホスト(操作される側)デバイスはMacまたはWindowsで、ゲスト(操作する側)デバイスはMac/iPhone/Windows/Androidが使えるのが楽。
6.Pocket:クリッピングサービス/Feedly:RSSリーダー/はてな:ソーシャルブックマークとアンテナ/Evernote:スクラップブック
この4つは一緒に使うことが多いので、まとめました。使い方としては、こんな感じです。
まず、Feedlyで購読するRSSや、はてなブックマーク、はてなアンテナで情報をチェック。クリップするまでもなさそうな情報は、iPhoneからMacへAirDropで転送してブラウズ。また、TwitterやWebで知った気になるリンクなどは、一旦Pocketに放り込んでクリップします。残そうと判断したら、Pocketの中でタグを付けたり、はてなブックマークに登録してタグを付けたり、Evernoteに転送します。時々、大掃除しないと溜まる一方なのがちょっと辛い…。
7.DeepL:翻訳
最近お世話になっているのが、このディープラーニングを使った非常に高精度な翻訳サービス。人気のGoogle翻訳やみらい翻訳よりも自然で柔軟な印象です。テクノロジーの進化にはただただ驚き、デベロッパーに感謝するばかりです。日本語/英語で使う場合は、日/英、英/日で訳し戻したり、双方向チェックしてみています。Weblioとも併用。
8.Asana:プロジェクト管理 [P]
今回の記事では仕方なくリストのこの位置に置いていますが、本来ならベスト5入り間違いなし。日本語対応される前から、プロジェクト管理は、Asanaをメインにずっと使っています。ローカライズプロジェクトに参加したり、資料を自分で翻訳して取引先にプッシュしまくっていたほど。2019年から、急に日本マーケットへの対応が進んだので、軽く面食らっています。
とにかく、直感的な操作と柔軟なビューが素晴らしい!プロジェクト管理では、クライアントに合わせてBacklogを併用することもあり、他にはTodoistやClickUpにもちと浮気中。
9.HootSuite:統合型ソーシャルネットワーク管理サービス [P]
TwitterやFacebook、YouTube、Pinterest、LinkedInなどの統合サービスです。投稿の下書きや内容の承認フロー、チーム管理、予約などが便利。クライアントから預かったアカウントの共同運用などに使っています。
以前は、もうちょっと上のランクでしたが、各種サービスが外部と連携できない制限が増えたり(特にFacebook…これはHootSuiteの責任じゃない)、日本語環境が全く改善されないので、優先度は正直下降気味です。LINEが管理できないのは仕方ありませんし。Bufferなど、代替サービスも引き続き物色しています。
10.Vrew:音声自動認識文字起こし
今、最も注目している新サービス!これをリストに入れたいために、この記事の公開を後回しにしたぐらいですから!アップロードしたビデオの内容をAIで解析し、テキスト書き起こすだけでなく、秒数に応じた位置に割り振ってくれるという、とても魅力的なサービスです。
まだ十分に使っていませんが、青空文庫の朗読コンテンツや、音声だけのmp3ファイルを試してみました。古語や特殊な用語に揺らぎはあるものの、非常に高精度です。Premiere Proへの字幕xmlを書き出せたり、ビデオ編集用がメインのツールのようですが、オンラインミーティングでの議事録の自動記述や、取材音声の書き起こしなど、テキストの認識だけでも今までの仕事が楽になる期待大。製品やサービス名、担当者の名前などを辞書登録できれば、認識率はさらに上がるはずですし、教育学習目的などでも使えそうです。どの程度実用に耐えられるか、引き続きテストしてブログに書きます 😉
Webサービスは、星の数ほどあって、次々と生まれては消えていきます。優れたサービスを紹介するサービスとか、代替サービスをレコメンドしてくれるサービスなんかも無数にありますからねw 間違いなく、ここにリストアップしなかったサービスの方が多いので、素晴らしいサービスはまた個別にスポットライトを当てていきましょう。